第3章
「生徒の世界観、価値観と倫理観を構築する最中の時期だ。あなたのその何百年生きてきた世をいとう考えを生徒に伝わらないでほしい」
ある教員室のドアのすき間を覗けば、頭の下げたうぬぼれるべき存在だった魔女はこの時間、誤りを犯かしたこどもっぽくなりました。
「どうだ?新しい先生のしかられたシーンは?面白い?」
「ノーコメントだわ。ゲップ」
クレールさんに観戦と連れられた少女はゲップが止まりませんでした。
「ちょっとしゃがんで見?この体勢で体のなんちゃらにいい魔の回路が作れるかも」
「…やってみるわ…ラムダ(λ)」
少女は両足立ちになり、その片足をやや後方に膝を曲げて、合わせた両手を前方に突き出しながら言います。
「うん…正しく言えばハイフン・ラムダ(-λ)だね」
少し離れたところに、シアナさんがシンメイさんに説教されています。
「食人只车过分贪」
シアナさんの手のひらがシンメイさんに計算尺で強く叩かれました。
「和尚担遮无发无天」
「うう…」
めったに泣かないシアナさんが鳴いています。
「佛都有火」
レオくんがその教員室から出ました。
「シノワの小娘さん、やめてもらえないでしょうか?」
「人の名前を覚えてきな。それに、これは私たち内部のいざこざだわ」
「レオっちも言ったからやめなさい」
「多个香炉多只鬼」
シンメイさんからの叩きが止みません。するとレオくんがシアナさんをお姫様抱っこして前に逃げようとしました。レオ君が何か薄い紙を落としていました。
「重っ」
上腕がマッチ棒のようなレオ君だが、シアナさんにとって優美な青年と認知して来ました。
「あいつ、もう少しオトメココロが身についたらいいなぁ」
シンメイさんがレオくんの落ちた紙を拾い上げたら、食品衛生検査官のスケジュールと検査マニュアルの一部でした。
「ダメだね。じゃこの棒を握ったまま棒を床に垂らして」
「海峡にあったスポーツじゃないかしら?ゲップ」




