第2章
昼休みの鐘がなって数分後。バゲットに入れて食べる異端者が来ました。案の定シアナさんです。シアナさんが白くなった翼を見たら、指を少女の翼に突いて口に入れます。
「にがっ。翼っち、体を洗わないうちにカビでも生えた?」
「あれ?…カビじゃない、チョークの粉だよ!」
「白トリュフだと思った。にしても、白トリュフったら、その小麦のうまみを引き出せるはずだったけど、あ、具体的に、鶏肉みたいな味だ」
「急にグルマンドゥのアピールしないでよ」
「正直笑えるわ。あんな古い知識を教えようとして」
「古い知識は間違いではないんだ。1千年経っても水を金にできないわ。新しい定理が発見されていくはずだし。」
「何の話し?」
シアナさんのそばに合流した少女も、クラスメイトとなにかを争っているシンメイさんに近づきました。
「なんか、シアナか。姫さま、こんにちは。実戦できた魔女とアピールする代理の講師が急にうちのクラスに来て、騒がせていたわ」
「小柄で物事をする気力がないタイプの先生かしら?」
「まあその印象が残っているわ」
少女は指をはじいて頭を抱きます。
「昨日から私のキャッセルに来たたなこだと思うわ」
「姫さまよ、穷则变,变则通,通则久、彼女の力を借りて、なんとか魔王城に何かができるはず、私たちもいつも姫さまに応援しているわ」
「翼っちに楽しい家族ができたのね。うちも時には蝶々と生まれ変わったら、獅子の王のかぶるかんむり勢いをふるいたいだもの…あ、入学試験以来の久しぶりだね…」
「世代間のみぞだけでなく、個体間のみぞも深いわ」
「本当にそうだわ。悪いことをしていないのに、貢物を奉げないだけで、うちの門派が消された…ほらシアナ、食テロをやめなさい」
シュウマイと他の生徒と交換した切りピーマンをバゲットに詰めようとしたシアナさんがシンメイさんに頭を叩かれました。




