第9章
「ユージェ姫デジュネ一緒に行かない?」
「間に合わないわ、このスケジュールを見て」
少女がシンメイさんに資料の紙を見せました。
「…うそ、お昼休憩35分でまたの授業再開?…5限目…6限目…10限目まであるのか?!」
「けど代わりに明日は休みだわ」
「うちの魔導学、午後から1限目で下校だよ」
「だからごめん、シンメイさんシアナさん、一緒に帰れないわ、私を待たなくていい、先に帰っていいわ」
「デジュネはどうする?ユージェ姫ってデジュネ買っておいてないじゃない、肉まん半分あげるわ」
「うちの肉まんじゃん、うちが許さないぞ」
「シアナってあの時は負けたじゃない?」
肉まんが入っているケースで揉めているシンメイさんとシアナさんを見て、少女がこう言います。
「私、大丈夫だわ」
ガルデさんがバケットと大きい水筒を持って少女に近づきます。
「あたしのブランチを分けよう」
「すっご、まさかバケットをこのまま持ってくるのか」
「っ隙間あり、肉まんゲットだぞ」
「翼っこ、これからもこんな短いデジュネの時間を慣れないといけないよ、ほら、コーヒー」
ガルデさんが水筒のフタに、コーヒーを注ぎました。
「ありがどうガルデさん、では遠慮なく頂くわ」
少女がバケットを折って、コーヒーに入れて食べます。
「甘っ、ガルデさん角砂糖入れすぎだわ」
「翼っこ、オリジナルのコーヒーがお好み?それだと苦すぎない?」
「連邦の人間ならコーヒーは甘くない派が圧倒的じゃないかしら」
「うちもメイっちに賛成だぞ」
「あなたたち、意地悪な」
「嫌なら、うちたちを訴えてこい、世の中に怖いものなし、シアナ・グネルはここにいるのだ」
「グネルって大学側の教授の…でもグネル教授って子供はいないらしいね」
「こいつを試験なしで入学させた主犯者だわ」
「ごちそうさま」
「うぉっ、翼っこ、食べるのは早っ」
「翼っち、大食い様だな、スポンサーがいないぞ」
「食べ終わったら教室移動だ、ごめん、ここの2人、あたしと翼っこは先に行くね」
「翼っちを独り占めなのか?許さないぞ」
「シアナ、私たちはこっちだよ、デジュネを済ませよう」




