第8章
「何度も訪ねてはあるけれども…」
「豪邸の基準で徴収されていれば問題はないのですが…」
「そもそも面積あたりの地価額は周りとかなり乖離しているのじゃないかしら?」
「魔王城は歴史的記念物 と指定されていないのはきっと理由があるはずです。残念ながらこちらから開示できません」
「父の代で歴史的記念物と指定させて私らを追い出す名家がかつては居たから、指定されていなかったんだわ」
今日は少女が下ブルティノー税務署に尋ねる3回目だそうです。でも少女が数分でスダッフと口論になって、マーシャン一家や学校の先生に手を借りて仕上げた書類はそのままオフィスデスクに散らばっています。
「ド・ルプレイヌ=ド=メさん?」
少女が振り向いて見て、ラプノーさんが手を振って声掛けていました。
「ラプノーさん?」
「遊びに来てくれた?」
「遊びに見えるの?忙しかったわ」
「公務員と口論することは時間を浪費すると同然だ。けどストレス発散にいいかも。 .無害な犬ほどよく吠える 。ところが、白大聖堂の神父へいい縁を結ばせくれるの?」
「礼拝する時に彼に声を掛けたら?そもそもシスターとなって、彼と一発勝負したら効果的だと思う」
「神父と縁を結びたいことは俗世を厭うわけじゃないから」
「言いようもないわ」
「以上、言いようもないのです」
スダッフからとどめの一撃でした。
「ぐぅぅぅー」
少女が悔しい顔を見せてもどうしようもありません。
「暗いオーラを放しないで」
廊下で歩くせむしした彼女は、翼が誰かに触られました。
「きぃぃぃぃ」
少女が悲鳴をあげます。
「やめて。ガラスが割れたら責任を負えないから」
「レアさん?どうしてここに?」
「カレンダーを持っていないのか?今日は社会人の四半期末のことを覚えてね、昼飯、一緒にしよう?」




