第8章
「そこのあなた、ちょっと時間を頂戴していいですの?」
少女は中庭で通りかかった生徒を呼び止めようとしましたが、誰も応じませんでした。
「見て見て、四つ葉だ」
柵を飛び越えて、小走って少女に近づこうとしましたが、ずっと距離を保たれます。
「2,3分でいいですわ!よろしくお願いします!」
少女は声のピッチが高くなるとともに新聞売りのようにメモ帳を高く振ります。
「よ!おいらの勇者の剣を付魔してこい」
トルステンジャックさんはスティックを握って振りながら、シアナさんを呼びます。
「それどころか、とても怒っている」
エリアーヌさんはスチールラックをばらしながら、シアナさんたちを見ずに言います。
「許してよ」
「時間が取り戻さない限りは許さない」
「閉会式を出席せずに行っちゃっただけで?真の偉人は自らの意志で爆薬の賞を辞退したように、くだらない儀式に左右されないぞ」
「なになに?相続争い?プロに任せて」
シアナさんがスティックをまごの手に代わって背中を掻きます。
「こういう時は翼相撲が…」
トルステンジャックさんはエリアーヌさんを引っかけって、しめつけるように強く抱かれるドラゴン族の女の子が何も抵抗していませんでした。
「効果抜群!」
トルステンジャックさんの高い声にシアナさんが拍手が鳴り止みませんでした。
「こんな活動で何かを得ていますか?」
同時に、少女は軽く曲げて、身長の低い生徒をインタビューしながらメモ帳でぞんざいな字を書き飛ばします。
「ドッグランで捨てておけばよかったのに…」
「パードゥン?」
「ううん、何でもありません」




