第6章
空に雲が残っているものの、太陽の光は全ての景色を麦穂の色に染まらせます。
「服もそのままで居眠り?電話交換局、恐ろしいわ」
「電話の接続品質が低い元凶ら、死に損ない魔女、まだ生きていやがる」
「言葉は消えても怠惰は残る。うちも彼女の顔面にクルミを突きたくなった」
3人が電話交換局の待ち椅子で眠り姫になった魔女を見捨て、小切手を魔女からもらった男の子を追跡します。
「あの子、歩き方はダチョウらしいけど」
ルステンジャックさんは孫悟空らしく頭を前へ突き出したりします。
「あの子とハグもせずに、大金渡した。ちょろいよ。魔女は一見力はあるけど、心は穴だらけだな」
シアナさんがバケットを一口噛んで、たいまつのように持ちます。
「民衆を導くバゲット?どこから手に入れているのかしら?」
「テクニックは企業秘密だ」
「小娘に申し訳ない気持ちで餌をやったから。八つ当たりされた補償だけだ」
不思議たる様子をするシアナさんが、彼女を軽視する様子のルステンジャックさんに横目で見られています。
「人は、先に与える情報に判断が歪められ、影響されるんだ。例えば、「この部屋は暗すぎ、ここに窓を開けたい」と言って、周りはそれを許さないだろう。しかし、屋根の撤去まで激しく主張すれば、人たちは相対的に折衷的な案を受ける傾向があって、仕方なく窓を開けようとするだろう。このバケットの入手経路も同じで…」
「はいはい、シアナさんの百科事典。けど自分の居場所を露呈しないようにしなきゃ…」
「そもそも彼を尾行する意味は?ガキに飴くらいやって経緯を言わせてもらったら?」
「ルステンジャックさん、釣りに向いていないわね。」
すると、男の子が路地との曲がり角で止まりました。先に、居合わせている帽子で顔を隠した男の人がいました。




