第1章
「その背影はアンジェルカ?最優秀従業員 ?アンジェルカを採用したあたしのバカ。あたしがいなければ、この組織は崩壊してしまう。侵入者?どうでもいい。130年分も勤続年数のリセットされたおかしいライフブレーカー制度よりあたしの人生への侵入することはないから…」
トルステンジャックさんとシアナさんが先拾った羽根を壁にいい加減に糊ではりつけてコラージュしています。廊下の向こうから現れた、見た目はゴスロリ風の魔女がファイルを脇にかかえて立て、冷たい目で彼女らの姿を見ます。
「先玄関口で入らせてくれなかったのに?」
警戒態勢を整った少女は聞きます。
「それはそれ、これはこれ、入ってきたらどう対処するか、しっかり成文した規則に書いていない。忠誠の誓い ?サン=エティエンヌじゃあるまいし。それに、下請けでやってくる人間の可能性もあるだし、このビルの193人の職員を全部覚えることも無理だし…」
「魔女さんもやってみ?ストレス解消にはなると思うんだ。ストレスは体重増加に正の相関があって…」
トルステンジャックさんが1枚の羽根を魔女に手渡しました。
「こんな感じ?」
魔女は羽根を壁に押さえました。すると、歯車が回る大きい音が出て、壁が陥没しました。
「なんなんだこの力は?魔王より超えているじゃないか?」
シアナさんが大げさに声を上げます。
「違うと思うわ。築かれてから隠し扉の後ろはシェルターみたいな隠し部屋があるはず…」
少女は少し驚くこともなかったのです。
「あまり気が進まないなぁ」
トルステンジャックさんが顎を触って、魔女を横で見ます。
「まさかのダンジョン?これはわくわくするぞ」
シアナさんが体を左右に揺らします。
「メダムたちを応援するわ」
「ラム、ウデ。暗かったのだろう?」
魔女はほーっとため息をついて、指を鳴らして、壁の陥没部が明るくなりました。みんなが覗き込むと、なぜか部屋の中は、大量なドラゴンの翼がありました。




