第4½章
大騒ぎとなりました。人を避けている、ドラゴンの片翼しかついていない女の子がなぜか少女と目を合わせました。
「なんか人目を下げている感じがするわ」
戦時中のような警察国家なら、こんな不審者を通報する義務は国民それぞれ義務付けられていますが、今やその時期ではないから、相手にしない人が多いようです。ですが、少女もこんなロクでもない場面から逃げ出したいから、ちょっとその女の子に尾行することにしましたそうです。
「来ないで」
余計に物事をややこしくなるシアナさんに避けたいと思う少女は、合流しにくるシアナさんに向いて、両目を丸くして、両手を必死に振ります。
「警戒?」
頷いた少女を見て、シアナさんが反対方向に行きます。少女はほっとしました。
いつのまにか、シアナさんがその女の子の後ろに現れました。まるで極東のしのびのもののように気配がとても薄かったです。
「知識は力なり!(La connaissance est le pouvoir)」
シアナさんが叫びながら、厚い本を両手で持って、ドラゴンの片翼の女の子に猛ダッシュします。そして、その女の子の頭が本に当てられて、女の子が意識を失って倒れました。




