第5章 (5月3日)
「疲れたー、今度、シンメイさんの洗濯機を借りよう」
少女が魔王城に戻ってすぐに籐かごを木製ドアの内側に投げ、暗やみの中で2階上がって、自分の部屋に戻りました。
「ライトが付かない、そっちの線路もメンテナンス?あ、痛っ」
少女の翼が昼買った本にぶつかりました。本が乱暴に床に落とされました。
少女が速くて短いノックで起こされ、玄関に行ったら、新聞が落とされています。新聞の表紙に5月3日が書かれています。
「すみませんー、この家のお主さんいますか」
「あ、はーい」
少女が木製ドアを開けたら、新聞社のロゴが入った大きなサコッシュを前掛けしている男の子がいました。
「おはようございます。私はペイジ・レベスクといいます。今週から新聞配達をしています。ド・ルプレイヌ=ド=メさん、まだ今月の購読料が納まったことを確認できませんのでお伺いします」
「あら、私は先週までの購読でしたわ」
レベスクさんはズボンのポケットから1枚のしわの多い紙を出しました。
「先週の購読者リストにド・ルプレイヌ=ド=メさんが乗っていますから新聞を届いてしまいました…お家に新聞があった方が時事が知られるではありますか…」
「ですから、今月から購読しませんわ、新聞なら返してあげますわ」
「えぇー、そんなー、購読料を集まらないと、私がこの新聞を買わないといけなくなります。妹の塾の講習料も…2番目上のおじさんの奇病の治療代も…」
「わかりましたからお口はおやめください。1リンジー20センでしょう?財布を取ってきますわ」
少女が上の階に行きました。
「潜入成功!ペイジは俺の朗報を待てなよ」
「必ずお宝を見つけてくれよ、アドリーゼ」
「アドリーゼさん?どうしてここにいるの?」
少女が降りました。
「あ、ばれた、逃げるぞ」
「アドリーゼってバカだな、せっかくチャンスを作ったのに」
「レベスクさん?妹とおじさんのためじゃないの?」
「ごめん、それは適当に作った話だ、忘れて」
アドリーゼさんとレベスクさんが走り去りました。
「ああ、バカがバカを引き付けることだわ」




