幕間15
バニーガールの服の外に、オオカミの毛皮を被った女の子が、荒れたスノーシェルターに入って、行動機械を止めました。
「どうしてこんなところに来た?」
一緒についてきた女の子が戸惑います。
「焼き芋やくためだよ」
2人が来る前にすでに人がいるようです。
「玲?」
「珍客だね。最近、ここで由理依の姿をめったに見ないわよ。何か大いことでもあった?」
「家で急に別世界からの妹ができたことを言ったら、信じてくれる?」
「由理依の性悪レプリカが生産されてなければ。あら、初めまして。私は馬籠三ハ朗ごと、保津野たいいちの妹、保津野玲といいます」
「ぜんぜん違う名前を二つ持っている?まさか姓・通称・諱が使い分けているパターンか?」
「知っている人間だったら、ほぼ笑ってしまうんだ。お兄は身分証明を書き換えるとき、住民管理事務所の係に黒歴史ノートを見せつけてしまったから、一生その名前を名乗って生きるしかない。」
「悪いな、玲。焚き火と焼き芋、借りるわ」
由理依が玲から枝を取りました。
「わざとここに来て焼き芋を焼くだけなら、僕は帰るなの。寒いし」
「彼女の親がどこかの甘芋畑で埋められたから、三ハ朗がその儀式を発明したんだ。スノーシェルターで焼き芋を焼きながら、悩み事と願う事を心の声で届くということ。」
由理依がしゃがんで、スノーシェルターの天井を見上げます。
「ごめん、はらぺこだったから、食べてもいい?」
切子が由理依から枝を奪い取りました。
「魔力があふれるー」
切子が2人に睨まれる間に、誰かがおならをしてしまいました?




