第4章
少女とシアナさんがデ=グレ中央高校につきました。校舎の中に賑やかな雰囲気でした。
「あ、来たのよね」
エリアーヌさんが手を挙げて小走りで2人に近づけます。
「そのドラゴンはもしかして…」
シアナさんがエリアーヌさんの翼に目を向けます。ドラゴン娘の片方の翼に包帯が包んでいます。
「マレシャルさん、お久しぶりだわ。行動機械保険に加入しているのかしら?」
「おっ!よく私の名前を覚えてくれたのね。って、君たちがティボービル西高の代表者?」
「一応そうだぞ。ユーレゲッル。」
「ユー?」
シアナさんのあいさつに戸惑うマレシャルさん。
「ボンジュールとの意味だわ。ごめんね。歴史の授業では翼のある種族はみんな東から連邦に定着していると記載されたから、シアナさんも私と出会ったとき最初はよく連邦以外の言語で話しかけてくるんだわ」
「ああ、そういう子だね。この学校にもたくさんいるよ、意識高い系のやつ」
「係長、そこに風船のアーチを配置したら、人が多い時に風船が破れるリスクが高いよ」
クリップボードを持っている女の子がエリアーヌさんに話しかけました。
「そもそも私が考え出した案ではないから、いちいち聞かないでほしい。それに、イベント係を係長と呼ぶなよ、シュラ・クゼンコワ 」
「まだ委員会のシェフ選出に敗戦したことを恨んでいるの?」
「言わなくてもわかってくれるのよね、委員会長?」
「それは…たまたま部屋間違えて入ったら、名前がブラックボードに書かれた。本当は嫌だったのよ。だって、委員会なんて無意味だもん。僕は東部大陸の古い思想家のように、不作為をモットーにしている。」
「そんなの、責任を負わずに、仕事を人に丸投げするいい訳に過ぎない!ごめんね、お二人への接待が足りていないらしい…そっちに行こう?」
「うん。案内してね」
「その委員長が持っているデカいクッキー、なんか美味しそう…待ってば、うちを置き捨てしないで!」




