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負の資産魔王城は財産放棄か?民事再生か?  作者: ださいやさい
第17話
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第11章 (C)

「頭は小さくでありながら、中に思想が隠されている」

シアナが緑のチェーンカフェの前にうろついている。店が定休日か、閉まっている。いえ、この店の建物以外、光ですら届かない。

「うちのキャラの出番を増やしてほしい」

誰からの返事もない。

周りが何もない。道の舗装も店の前以外、途切れている。

シアナが走り出すと、虚無に沈んだ。


「手がしびれている…」

シアナがうつぶせの状態で起きた。よだれを拭いていたら、白い粉が少々ある。どうやら先生のチョークに当てられた。


最近になって、翼っちとの自転車での並走も少なくなった。父を下手な真似をするムーテおじさんの気持ち悪さが増えた。魔導学の宿題に誤りも多くなった。

「親になるのも、魔王になるのも、資格がいらないのね…」

もしこれが白昼夢の中なら、周りが虚無のはずなのに、なぜか流れ星が一瞬現れた。


目の前の翼の生えた少女が文字がいっぱいある紙に丸を付けたり、線を引いたりしている。

「彼女の翼でジュ・ド・ヴォランのヴォランを作れるのかな?」


シアナが少女の翼を触ることをやめたら、自由行動ができるようになった。

まるで透明人間のように、いたずらしても誰も気付かれない。


「お借りしまーす!」

シアナがブルーグ市場に行って、華やかな洋服を試着してきた。

ミノさんの寮に侵入して、女神像を転倒させた。

白大聖堂の着替え室に入って、靴墨でヴァン・デ・ヴェルヴェ神父のひげを塗った。


けど、誰もシアナを相手にしなかった。

Continue?


「もう物語が進んでいい!閉めゴマ!」

シアナが大声で叫んだ。

「急にどうしたの?シアナさん?」

シアナが少女の目線を引いた。

「彼女の翼でジュ・ド・ヴォランのヴォランを作れるのかな?」

「わざと繰り返しなくてもいいわ!ジュ・ド・ヴォランくらい知っているの!お断り!」

「翼っち!」

シアナが涙を流しながら少女に飛びかかる。


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