幕間13
「はっきりしているのは、私たちは今、奇跡のない世界に生きているということだ。…ねぇ、聞いてる?」
「何?」
女の子の一人は雪を握って、たくさんの小さいアヒルを作りました。
「ムジュラン!」
「何?」
「田舎者!もっと優先すべきことがあったのだろう?」
「何年も雪と出会えなかったから今は何ごとも雪遊びにかなわない!これからはユキ摺りもしておくぞ」
「ユキ摺り?」
「雪に摺る、つまり魚拓の人間バージョンだ」
「霜焼けを注意しなよ、いや、勝手にしろ…でも、白いアヒルってとても可愛いわ」
「…その瞬間、オトメの現実に対する不安は、口笛のような風によって次々と吹き飛ばされていった…」
「勝手にナレーションを付くなよ」
「まだ言葉と生活的常識が大部通じていてよかった…怖い話を体験させられたのが一番怖い。 例えば、僕の姉妹は実は裏で世界を支配する古神タコなんてとか…」
「そんなのは、ならないんだよ」
「最初からならないんだろうという考えは間違っている。人生で最も難しいことは、他人を征服することではなく、自分自身を征服することだ。やってみないとわからない」
「もしかしたら、切子って、あの世界で変なカルトの高級幹部でもあったかしら?」
「違う違う、熱い話をしたら暖かくなるかなと思って…」
「素手で雪を触ってるから、体が暖かくなっても意味ないじゃない?…あああ!空から降ったとはいえ、この先に工場街だから何にせよ汚いんだ。だから食べっちゃダメだの」




