第9章
少女がゴードロー=レ・オーブレ署に電話で連絡して、数十分後にようやくミローさんが魔王城の庭にある新聞紙小屋で泣き続いたコマイヌの女の子を連れて帰りました。
「よくやったね、魔王。はい、ヌガー」
ギョームさんが少女にヌガーをやります。
「お久しぶりの甘い…ヴァンディエールに行っても買えないわ」
「たまにトルゼ=イズランドのスイーツショップでも買ったんだ」
「あそこは危ないじゃないの?」
「そうだね。窓が全部木の板で囲まれて、買うときも店の人の顔を見ずに、金だけを手のひらくらい小さい穴を通って渡して、そしてお菓子をもらう。強盗が多かったのでしか考えられない。でも、その店のセキュリティ対策はすでに万全となっている。木の板をなしに、仮に誰か強盗したいとしても、防犯用魔法でしつけられるのだろう」
「ムッシュ、これから紙風船でも作って付けて空飛ぶ家にしましょう?」
「ごめん、マドモワゼル、これから用事があるから…」
コマイヌの女の子の去りと共に、新聞紙小屋の三人組も行き別れました。
夜。灯りを付けて宿題をしている少女の後ろに突然、アーモンドの匂いが後ろから漂ってきます。
「待ちなさい。ヌガーで酔いざめするなんて贅沢じゃない?」
アーモンドの匂いがするのは、ヌガーをくちゃくちゃと噛むダメイドでした。
「んはははっ、憲兵2人のために街の全員を巻き込むまですることより贅沢することはないよ」
「マリー王女が何とかカバーできるわ。それにどうやって知った?これは悪事千里を走るってこういう事かしら?」
「お嬢様のために情報を求めて歩き回ることが、今のあたしの仕事だ。」
「ダメイドのだらだらとの姿ばっかり目撃している。よくラ・シテで仕事し続いたわね。これからも銃器や破壊力のある魔法を接しないのを頼むわ…明日が締め切りの社会科の宿題…今回のテーマはアリエンナト?全く手がかりなしだわ。書斎でも行ってみよう」
魔王城の書斎は大図書館ほどではないが、一般人に生涯で読む本の数よりずっと多いです。
「ロートシルト…これにしよう」
少女が片手で長いポスト魔導回線で繋いている電球の下端を握って、まだらになっている手紙と羊皮紙に潜って、ド・ルプレイヌ=ド=メ家とロートシルト家の歴史を調べます。
「カバノって…人の名前かしら?」
「Kabano」とアルファベで書いてある単語の隣に謎の鋭い四角い記号が書かれていますが、少女がそれを全く読めません。
「嘘を見抜くのは簡単だが、真実はどこにもない。」と手紙のある文が答えったような、答えていないいようなことばっかりでした。
「カバノのコマイヌ…っコンコン」
古い紙のせいで少女がせきがとめどなく出たりします。
「少しこれらの手紙の内容コピペして、適当な下手の長談議を尾ひれつけてもしよっか」




