第7章
ゴードロー=レ・オーブレ署で、少女が数分間電話の向こう側に憤りを漏らす一人の憲兵を見つめていました。
「…子犬を失うのは、火を噴くドラゴンが山頂に登るのと同じくらい怖いということか?」
憲兵がテーブルを強く叩きつけながら、電話を切りました。
「10万卓くらいのテーブルも欲しいかしら、憲兵の紳士?」
「ド・ルプレイヌ=ド=メの魔王さん、なぜ私の小さな地獄に来た?」
「あしからずに、こんにちは、ラースローさん。ミローさんから聞いた、その生徒憲兵プロジェクトはまだ募集しているの?」
「密告者プロジェクト?いつも署の予算が削減されている一方だけど、このプロジェクトの存在すら影が薄いか、戦争中の立ち上げは未だにアクティブしているんだ。というか、私たちいつの間にか名前を呼びあえる関係となった?」
「またこのパターンか。ヤーノスさんも同じだったわ。バリント・ヤーノスと読んで、ヤーノスが苗字で…」
「魔王さんが将来は記者志望か?それならこのプロジェクトに役立つかも。けど、ただで人を使い回しているだけだ。電話の向こうの相手を罵倒していると思われているのだろうが、私はすでに報告をメモしているのだ。狛犬の家出だ」
「コマイヌ?」
「ただの犬だ 」
「私はただの鳥かしら?
」
「冗談はさておき、アリエラ・ロートシルト、狛犬の一族、魔王城北中学校の生徒。この街に教育を受けていればロートシルトもお馴染みの苗字だろう…歴史的に魔王の部下として知られている。彼女が最後に目撃されたのはジュール・ラヴォー街道…手がかりを提供する者に報酬あり。私が何を考えているかわかる?魔王城っていい隠し場所だね。もし私が魔王なら、賞金を請求する前に彼女らを一回監禁するだろう。犬に骨付き肉をやったらいい。魔王にふさわしい考えじゃない?」
「今の魔王は学校に通いながらピザの配達をしている。魔王という肩書きは税金の納付にも軽減できない。憲兵をイメージダウンさせる元凶はここにいる、ザボさんだ」
「発言に気をつけなさい。私はとても物知りだよ。あなたたちカラステングの一族は大きい口を水に頭を突っ込んで、口で魚を刺すのも知っているんだ。そらに、カラステングの群れが泳いでいる魚を見つけたら、一直線に、あるいは半円を描くように並んで翼で水面を叩き、魚を水深の浅い堤防に向かって追い込んでいくのだろう?」
「とても傷つく言い方だわ。助言だが、起きて動いたほうがいい。そうでなければ、頭に入った油が固まってしまうわ。」




