第9章
「何をしている?」
「あ、お姉ちゃん、奇遇だ。懐中時計を持っていて、駅の時計と時間合わせに行く途中だったけど…」
「汽車と電報というのは魔法なんかも比べにならないものすごく便利だね。魔物のいる森の王になるよりも、基盤の王のほうは位置が高い…」
「汽車にしろ電報にしろ…今すぐでも傘がほしくなるぅ…」
雨が降ってきました。
「シー…隠れよう」
2人はびしょ濡れしたにもかかわらず、有刺鉄線のついているフェンスと隣接にある木の箱山の後ろ伏せています。
「その服…シルドウィグスボーグの禁衛隊じゃないか」
「一体いくらくらい豆知識を知っているのかよ」
貨物汽車に扉の開いた車両に、大量のたまごや小麦が積んであります。禁衛隊の服を着ている男と誰かが話し合っている。
「だるーいぃ、あ、傘、持って」
三人目が会話に割り込んできました。
「いよいよ私のその時が来た」
駅員の服を着る女の人がしゃがんで来ます。
「この仕事は私を蝕んでいる。私はこの何年もの間、背景人物になろうと努力してきた。正義の味方として。私は彼らのように頑張るのではない。私は彼らの一存だ。」
「メダム ジャクリーヌ・カラドゥ、もっとシャワーを浴びたほうがいい、もしくは香水のブランドを変えるべきだ」
女の人が傘をもらって、名札を見て話します。
「じゃ、その賢さが足りない小さな頭で汽車と共に過ごしてもと石炭の匂いが付着しない魔法を教えてちょうだい、魔女さん?」
「憲兵のお姉ちゃんは魔女なの?」
「知らないなんて言わないで、マーシャン法律事務所のおじょうちゃんよ」




