第6章 (6月10日)
6月10日。
天井から剝がれたレンガの砕けたくずで起こされ、早起きした少女がフォーの店に立っています。
「5リンジーの看板が20リンジーとなった…」
「リンジー?古紙の方は価値があるわ。経営なんて、炭を運ぶ貨物汽車の後ろに炭の塊を拾う仕事以下じゃん」
少女がしばらく街を散策したら、朝市から帰りのシンメイさんと出会いました。
「この謎の通貨はなんと、必ずたまごが買えるらしいよ。ほぼ金のたまご券だ。『東部大陸語で』お金さえあれば、どこに行ってもハッピーレディだわ。」
「私の長い…10数年の人生で初めて聞いたわ。何を言ったかしら? 」
この日、軽い冗談のような“呈示払い(promesse de payer le porteur sur demande)”と書いてあるブリンジーが、リンジーよりも受けられるようになってきました。
「通貨は人々の信頼に基づいているから、これは非常に新しい形の抗議だ。」
歴史学者のコメントです。
「1ブリンジーは金銀とかリンジーとかに関係なく、100のたまごが交換できる額を設置されて、そこから1/2ブリンジー、1/4ブリンジー、 1/8ブリンジーなどと分割していく」
「これは最初に、ティボービル西高校と市立大学の学生の間でしか使われていなく、モノポリーごっこの道具らしかったが、その後徐々に街まで広がっていった。商店ではリンジーとブリンジーも使えて、さらにこの2つの通貨の間には、変動的な為替レートまであった。」
「ブルティーノ人がブリンジーを使って、リンジーに起きたインフレーションを対抗している」
「ラ・シテに屈服してはならない。たとえ数百年が経っても、魔王の城下町の名残が未だにあらゆる面でこの町に影響し続いている」




