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負の資産魔王城は財産放棄か?民事再生か?  作者: ださいやさい
プロローグ
21/322

第17章

少女は何冊の本を捧げて歩いています。

その時、キャリーバッグやスーツケースを引く何人が歩いて向かってきました。

「惜しかったな。他の所も回してきたのに、魔王城が見学出来ないって」

「あそこ私有地だよ」

「あと半年で公開される予定って噂を聞いたぞ、今度の年次休暇、またルプレイヌ=ド=メに来よう」


「…」

少女は無言のままキャリーバッグを引く人とすれ違いました。


「愚か者は、まじめさを盾にする…」

少女はベッドで横になっています。

「法学とは、正義に従って生きる人間の学問である…」

少女はベッドでうつ伏せになっています。

「全ての市民は、法の下の平等にある…」


少女は窓から外を眺めています。雨がやんだ後のすっきりした空気を浴びています。

「このきれいな青空も個々の市民の総体に所有しているのか…」


遠方から列車の汽笛が聞こえて、黒い煙が見えています。

「魔王城に住んでいるのに税金が納めないくせに…邪魔な翼だけだとそんなデカい鉄ハコも引っ張れないくせに、何が魔王の末裔かよ、何が姫様かよ…」

少女の顔からいつの間に涙が一滴こぼれました。


とんとん。「姫様!いただろう!窓からみえたよー」

少女が上の階から降りて、木製ドアを開けたら、目の前にシンメイさんが自転車を押して立っています。

「シアナが自転車を戻してくれているから、また出前に出てきたよ。そういえばシアナから聞いたよ、姫様は川沿いにボーとしていたことを、何か悩み事があったら、私たちにも相談できるじゃない?友達ってこういうもんじゃないかしら?」


少女が顔を手で拭いて、翼を全展開します。

「ならば、シンメイさんに一つのお願いがあるの」

「何でも承りますー」

「シンメイさん、私に姫様と呼ぶのをやめてほしいの、ユージェと呼んでくれる?」

「魔王の末裔も貴族扱いだよ、こうだったら礼儀正くなくなるかしら」

「私、自分が貴族だと最初から認識していないの」

「ユージェ姫、これは折衷案だ、これ以上は譲らないわ」

「ありがどうシンメイさん」

少女は笑顔をシンメイさんに見せました。


「私、この魔王城を法的な手段で守りたいわ」


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