幕間10
「いいことなしに悪いことはない」
裸の女の子が起きたら、もう一人の女の子と一緒に灯油のニオイに染み込まれました。
2回重い叩きに1回軽いノックの後に、ドアの投函口に手紙が入って、室内の床に落ちました。
すると女の子がすぐ立ち上がって、バスタオルを体に巻いて、ドアの入り口すぐに掛けたレインコートを適当に体につけて、ドアを開けました。
「チエちゃん、お久しぶり!ノック音からすぐにわかったわよ。最近はどう?いい加減に中学校で私から借りたヘアブラシを返しなよ」
「あら、失業した「研究員」じゃないか。あなたは大地のおへそのように振る舞っている(うぬぼれる)。それから、和名なんか読まないでちょうだい?あたし、ディアノワだし」
「イワノフのほうが似合うわ。…それは?びんを扱うラベルがないものは届け物ではないよね」
「それは…その…医者からもらった薬を持ち歩いているだけだ…ああそうだ、血圧治療薬だ」
「医師はクワスを血圧治療薬と処方するのか?」
「あなたと関係ない。ところで、その手紙、書留だから、ちゃんと見てな。じゃ、あたしは「仕事」があるから、パカー、バーカ」
物見高い少女がチエちゃんのおどけた顔を最後まで無表情で見つめて送りました。チエちゃんが階段を降りて滑った様子を見たとしても、笑いませんでした。
「彼女は絶対に頭がおかしい…」
女の子が封筒をあけたら、一瞬で気を失いそうになりました。
「どうした~たぁったった?」
目つきがどろんとするもう一人の女の子は歯がカタカタします。
「ミネムロは一日にして成らず…」




