第3½章
「…この街の秩序を乱し、すべてを混沌とさせるわ」
「まったく意味が分からない…それに、どうして私を選んだ?」
サブレさんが仕事を終わって、私服姿で郵便局を出たら、少女に立ちふさがれました。
「このところでは誰でも頼もしくない。何でも自分でやらなきゃ。そうでしょ?生きている人間は戦う人間だ。私って、勘が鋭いから、サブレさんは魔王城の左官に成ると思う」
少女が鷹のような鋭く強い目でサブレさんを見つめています。
「左官って、私の専門外だけど…切手で魔王城を貼りまわすこと…ではないのね」
「これからはエステルさんって呼ぶわ。もう一度言うから、しっかりと聞いて頂戴?市議会議員に立候補させてあげる」
「そんなこと…できるのか?」
疲れ切っているとしか見えないサブレさんが真剣な表情を出しました。
「ここはブルティーノだのことを忘れたのかしら?私の先祖が残した遺産が見つかったわ。魔王城って、キャッスルより大図書館のようなところだったわ。帝国の処刑者に殺された150年前に、##年第275号議決に記載された、ド・ルプレイヌ=ド=メの一族の特権を使ったら…」
「…この場では答えられないんだ。時間をください。」
「決めたら、いつでも魔王城に来て」
「海を飲み干すわけじゃないわよ!」
少女がサブレさんの背影がどんどん消えていくの見て、叫びました。




