第3章
「ね、ギョームくん、医学に関わりたかった?ならば私の体を解剖して、カラステングのための解剖学とか書いたら、ラ・シテの学会にもギョームくんを医学者として受け入れるわ」
「急に怖い話を辞めてよ」
「あははっ、さすがに冗談がよく通じないギョームくんだね」
「一人で魔王城を数年住んでいたから、私の頭もおかしくなってくるのかも…私はよく、スカートをはく海兵隊員の姿で、四角い灰色の建築がたくさんあって、地面も黒に近い灰色で、灰色の棒がたくさん立っている街に、うろついている夢を見ているわ…」
少女は意気扬々でトンドローさんに自分の夢見たことを話します。
「父上に会いたかった…」
病院に出た途端に、少女が泣き始めました。
付き添っているトンドローさんは言葉が出ず、ただ手を少女の肩に軽く置きます。
「レオ君のお父さん、クズだけど、レオ君が羨ましいわ」
「例え浮気をしているとしても、私に無関心だとしても、失踪宣告の文書に父上の名前で父上の姿を想像することより、ずっとましだの」
「俺たちは家族を選ぶことはできない。時代の流れを操ることもできない。その経歴は俺たちの一部であり、それでも適応して生き続けなければならないんだ。」
「わかっているのよ!…誰かにもなりたい。自分以外のキャラはね。」
「コーヒーを飲んで少し頭を冷やそう」
「ミラクルノサンドAも…あ、何それ?」
トンドローさんは少女をコーヒーショップに連れていきながら、いままで出来事を思い出しました。そういえば、勇者なんかは、フィクション物にしか存在しません。自分が勇者を名乗る最初の理由は、ただ少女を慰めてあげたいからでした。
「かならず勇者になってあげる」
チェーン店のコーヒーショップに着きました。
「新品のイトウリコーヒーは如何?」
「おぃ!もうすぐ1ヶ月で新発売のふりをしてたじゃないか」
「そう言われても、マニュアルはこう書いてありますので…」
「それでいいわ。とりあえずいっぱいください!」
少女は少しでも躊躇せずにイトウリコーヒーを一気に飲み干しました。




