第6章
夜のカブトムシは昼の明るさを想像できません。
少女が自宅に帰ったら、ダメイドがときどき浮かない顔でため息をついたりして、椅子に座っています。
「どうしたの?」
「下ブルティーノの市長とであった。」
「えぇ?何があった?探偵ごっこが上手くいかなかったかしら?」
「そんな問題ではない。あたしはもともと自分で棺桶を用意し、静かに死を待っていた。しかし、ある人があたしの命を救い、あたしを枯れさせ、ゆっくりと死ぬことを成り行きに任せた。」
「あたしの父は偽善者で、その昔、貞淑な娘を誘惑した。彼女は彼のために子供を産んだ。 それなのに、彼は母娘を捨てて政治的生涯への道を選らんだ。」
「どうやって知ったの?」
「おっさん特有な酔っぱらっているときに言われたんだ。」
「十数年にわたる悲惨な思い出が、次第にあたしを生きる屍のような者に追いやった。陸軍軍官学校に入ったのも不本意で、ただいい食いはぐれのない職業に務めたかったから…」
「でも、なんとか戦争を乗り越えたから、結果的悪くないじゃない?」
顔が真っ赤なダメイドは話す間に、少女が渡した水のあったカップを一気に頭に流します。
「あたしは独り身をお祝いの旅に出る。3万リンジーはいつか倍返ししてあげるよ。いままでありがとう。数日間だけのメイド生活も悪くはなかった。」
「メイドらしくできていなかった」とかの話しは少女の口から出なかった。
「逃がさないわよ。魔王の領地に入ったら覚悟済みと見なしていいわね。…カルメンシータさんのストーリーがいい素材だわ。私に助けてくれるかしら?」
「演劇のシナリオに?」
「いいえ、友たちの親戚が次期市長を狙ってて…」
少女が自分のアイデアをダメイドに言い出しました。
「行動コードはゴシップの研究にしよう」
「なんかセンスいいわ、作戦仲間。あ、濡れたカーペットの後始末もよろしくね、ダメイド」




