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第5½章
「クラプ!…このゴブリンめ!」
「チェックメイト!はい、翼っちの負け、早くそのパンをくれ」
「まさか早く昼休みに入っても、こんなことに時間を浪費するなんて、悔しいわ」
「それはメイっちのせいだ。メイっちが弁当とかを持ってこなかったから、うちがこのパンを第二の選択肢としているんだ」
「そういえば、先からシンメイさんが見当たらないわね…ボーマノワールさん、こっちだよ」
ボーマノワールさんが大量のパンを持って小走ってきました。
「あの…シアナァ…パン、たくさん買ってきた…」
「私は失礼するわ」
少女がボーマノワールさんの傍を通る時、低語しました。
「我が戦友よ、お楽しみにしているわ」
「翼っち?…パン、全部でもいい?ありがとうー、いい天気だね…午前の授業はどうだった?難しい問題があった?分からないことがあったら、このグネル教授に任せていいぞ…」
「うん、計画通りだわ」
少女が建物の柱の後ろに身の半分を隠して二人を観察して、かけていない、存在しないメガネを軽くくいっと上げました。
「でも美味しそう…」
少女のよだれが少しずつ床に落ちていきます。




