第3章
バスがきました。しかし、バスが少女の目の前に止まって、後ろに黒い煙が出ました。
「本当つかえないなー」
ピカールさんがバスを降りて、ボンネットを蹴りつづきます。
「そんなことしても、直せるわけないじゃない…」
「ああ、翼の女、いたのか?悪いけど今は乗せられない…自分で自転車で、翼で、とにかくセルフサービスで目的地に行って」
「お年頃の乙女に冷たいね。ガルデさん以外の人に対していつもこんなに態度が悪いなの?」
「クレと一緒にするな。彼女は俺の天使だ。疲れたとき、彼女のことを思い浮かべ、世界のどこかで一緒にくっついて生きて存在している未来のことを思い浮かべ、どんなことでも我慢できると思うんだ。」
「私にありったけ訴えることでさえ我慢できなかったのに?」
ピカールさんがバス会社の制帽で目を隠し、運転席に戻り、中からボンネットを開けました。
「なんとお可愛いオジギソウ。」
ピカールさんが少女にしょうもない話をしながら、バスのエンジンルームをあちこちでレンチを叩き続いて10数分、ようやくバスが再び黒い煙を吐き、発動しました。
「私の悩みも、あの黒い煙のように消えてしまえばいいのに…」
「セラヴィ。あんたはいい魔王ではないかもしれないが、いいリスナーだ。乗っていいぞ、ド・ルプレイヌ=ド=メ嬢。」
懐中のバケツに小銭が散乱しているのを見過ごした朝市に行くおばあさん、夜勤帰りにコートを適当に肩に置いて鼾する憲兵、まるでそばに人がいないかのように脇に香水を吹きかけるスーパーマーケットの従業員、色々な人とすれ違って、少女がようやく学校に着きました。




