第2章 (6月3日)
「東と西を同時に行くことはできない。しかし、一歩を踏み出す前に思い浮かぶ方向は、決して東と西以外にもたくさんあるはず。では、他の可能性はどこに行ったのか?」
2人組を魔王城の遠いところに見送った少女が、哲学の授業で出題された問に苦戦しています。
「あたしはこれらの制限が正当化されるとは認めていないが、この問題についてこれ以上詳しく説明する必要はないだろう。まあ、それはずっと先の話だ。話を変えよう。ラ・シテのある法令を教えてあげる。女性は、自転車や馬に乗るとき以外はズボンを履くことを禁じられている。(Les femmes n’ont pas le droit de porter un pantalon, à moins d’être en vélo ou à cheval.)それ以外にもある。女性が男性らしく服を着用する場合は、憲兵に許可を申請する必要がある。(Une femme qui veut s’habiller en homme doit demander une autorisation spéciale à la préfecture de gendarmerie.)」
「ブルティーノでは信じられないわ。でも初めてレタヌールさんとであったとき、確かに長ズボンを…」
「憲兵であることを忘れたのか?…じゃさ話を戻って、お嬢様はスカートとズボンのどれかを着ようとしたら?」
「結果は1つしかなく、同時に2つはありえない。」
「理解力は半端ないじゃん。…喉が渇いてきた。なんか飲み物でも淹れてくれる?」
「普通の貴族にいうなんて、有り得ないわ。」
「あ、そういえば、ラ・シテで税務官の知り合いの誕生日が近くなったなー、お嬢様へにも宴に誘いたかったのに…」
「わかった。わかったから…はちみつの水でもいいかしら?」
魔王城のどこから鐘が鳴って、この世界と6月3日に迎いました。




