第14章
「こんにちは!ご注文のピザです!」
「ご注文ありがとうございます!熱いのでお気を付けください。」
「毎度ありがとうございます!デリ・シー・ピザです!」
少女はピザ屋と異なる客のハウスに飛び回ってきました。
「あ、シアボーネさん、私は最後配達したのは7分前のことだわ、このまま直帰するわ、キャロルさんによろしくと伝えて」
少女は公衆電話ボックスを出て、川沿いの歩道傍にあるベンチに座ります。
「うさぎ、うさぎ、なに見てはねる…」
「翼っち、それは何の唄?オリジナルなのか?」
「っきゃ!シアナさん、いつの間に…」
「銀行から戻ってきたよ、切符の納付なんてあっという間だ。先程まで延ばされるのは前がお金を引き出すじじが遅かったせいだ」
「へぇー、そんなんだー」
「あ、翼っち、メイっちから自転車を借りただろう、用が済ませたら早速戻してよ、また出前に使うから…聞いている?」
「わかったわ、なら、シアナさんが戻してくれる?美味しいものを奢るから」
「絶対な約束だぞ。よーし、シアナ選手、出発っ!」
「ちょろいもんだわ」
少女はベンチに座り続きます。
そよ風を浴びる少女に、一人の男の子が来ました。
「ラングラード川っていつもこんなに綺麗じゃない?」
「あら、ベルトードさん、こんにちは」
「この間僕にテンダム自転車を返却することを感謝しているよ」
「いいえ、ちっともないことだわ、それに、あの二人と乗って帰ることも楽しかったし」
「そういえば何がほしい?口が荒れたよ。コーヒーがいい?それともミネラルウォーターか?」
「液体黄金がいいなー」
「あははっ、黄金を飲んだら人ごとが荒れるよ。アイスコーヒーを買ってくるよ、ここで待ってって」
「あ、私は大丈夫だわ」
「遠慮しないでって」
「サリンジャー様があのタイプの子がすきなのか。これはメモしておこう」
遠い所のかげから少女を観察する女の子がいました。




