第8章
「茹でた果実を味わうのは、まるで開花の季節に戻ったようだ。 果汁は春の果樹園のようで、紫がかった赤色をしている、なかなかいいお茶の時間だ。…お嬢様、掃除機を止めていただける?」
「ちょっ、もう誰がメイド、誰があるじと分からなくなってきたわ」
少女が魔王城で掃除機を使って、何回もダメイドの隣を通ります。
「お嬢様はお嬢様だから、敬語を使っているよ」
「メイドって、敬語を使える自動人形を表す意味なんかないわよ」
「止まらないで、文句を言い続けて」
「喜んで文句を言っているでも思っているのかしら?ずっと叫んでいると気が狂いそうになるわよ。」
「空想しようぜ、可能性の領域を超えよう、既知の領域を超えてよう!」
「働かない大人っていいなあ…」
「働かない大人を見つめるのは好き?新聞の切り目にある石けんの広告を見つめることさえ、味わいが尽きないって同じような考え…」
「もうダメイドなんて大嫌いわ」
「憎しみは普遍で、論理的ことは稀。年を取り過ぎたら戦うにはできないが、憎むことはいつまでも年を取り過ぎない。…あ、言っておくけど、あたしは明日、上ブルティノーに用がある」
「どこに行くのはダメイドの自由でしょ?大人だし。私には禁足させる権利もないもん」
「時効を過ぎた古い案件に興味があったら、戻ってきてから話してあげる」
「下ブルティーノでメイドをやっているのはその方面の考えでもあったかしら?探偵さん?」
「まあ、取り調べされるときあたしが話したことでも80%が近い実話だったよ」
「20%でもイラッとするわ。けど魔王城の税金を一部出すなら、見逃してあげる」
「お茶におやつが欲しくなったなあー。」
「はいはい、ダメイド」
「ご主人様と呼んで」
「私こそこの屋敷のあるじだ。それだけは譲らないわ」
「いいね。そのままでいい。いや、もっとそのプロフェッションに付随する親しみが必要な…」




