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第7½章
ゴールまで走れない運命にある人もいる。 ゴールラインではない目標を狙ってスタートするからだ。
「すごーい。今日から吾輩も鳥を騎るパラティヌスだ」
「鳥じゃないわよ。それにパラティヌス?それどころか、お姫様だっこされて、こう言いだすのは、連邦中からとしても、シアナさんくらいだわ。っか、足を捻じったから運んであげたのに、足が痛くなくなったら降りてよ」
「バカシアナ、ユージェ姫を疲らせるじゃないわ」
「うちのおかんかよ。自転車をこぎる時はちゃんと真っ正面をみてこい!」
3人の通学路に、くだらない会話がしばしば続きます。
「あれ、翼っちの働いているところの通りに通っているじゃあるまいか」
「今日は自転車を取りに行くわ、昨日店に適当で置いたから」
「あ…ユージェ姫、貼り紙みた?臨時休業だね」
「それは残念だわ」
「あれ、笑わせるな」
2人がシアナさんの指先が指した方向に見ます。向かいの薬局に、タバコをパイプに積むようとしたが、床に散らばって、慌てて片付けている男がいました。




