第7章 (6月1日)
6月1日。
「え?」
魔王城の自室に寝る少女が不審の音に気づいて、目が覚めました。
「ダメイド?朝に筋トレの習慣とかあったら言ってほしいわ」
「『東部大陸語で』一が二を生ずる、二が三を生ずる、三が万物の生ずる春に蘇る、夏に伸びる、秋に収穫する、冬に蔵する」
少女が魔王城の窓から外を見下ろすと、チャイナスーツを着ているシンメイさんとシンカンさんがいます。シンカンさんは銅製の八角形の羅針儀を持って何かを探しています。
「『東部大陸語で』姉上、東に反応があった」
「『東部大陸語で』東の方角は植物が成長するのに必要な方角であり、「進める」の象徴でもある。」
「私の庭に何をしているのかしら?」
「ユージェ姫、おはよう、風水を見ているんだ」
「墓荒らしじゃないわね。まだ生きているのだわ」
「風水というのは気の流れを物の位置で制御するだわ。地面のでこぼこは、運の低さを示している。埋めるわ、そういえば、ユージェ姫、スコップ持っているかしら?」
「ジュール・ラヴォー街道でいっぱい取った」
話を割り込むシアナさんが魔王城の庭の外から歩いてきました。
「変なキノコをいっぱい取ってどうする気?バカシアナ」
「そのキノコを粉にして、ガリポーくんが飼ったスライムの餌にやりたいんだ。」
「朝からカオスだね」
軽い汗のかいたレタヌールさんが魔王城の庭の外から戻ってきました、
「もう知らないわ!みんなとも大嫌い!」
「それって、自分を嫌う映りに過ぎないじゃない?」
どうにもならない怒りを表す少女がレタヌールさんの話に鎮まれました。




