第5章
「こんにちはマドモワゼル、何か用? 」
「こんにちは。手紙を送りたいですけど」
「手紙を送る?ウイ、正しい|場所に来たのね。けど、それ、戦前の切手はもう使えないよ」
「まだ自宅にたくさんあるのに」
「残念ながらこっちでは回収サービスでも一切していない。お飾りに使ってどう?肖像画のように表装して壁にかけたら?ルイ=フィリップ氏の顔に貼って、東部大陸のキョンシーの伝説のように異なる文化とアレンジしたら?」
「…とにかくこの手紙を送りたいですわ。お急ぎの便にしたいです。」
「大切なものか?マドモワゼル ? 早く言いな.」
「そう…です」
「ならばこっちで赤い切手を買う必要があるんだ。あ、その封筒、ちょっとでも破れる所があったからもう使えないよ。あいにくこっちも封筒が売り切れた状態なんだね。駅前の本屋に探してみ?」
「ダンボワーズ郵便局からブルティノー=ダンボワーズ駅まで?」
「普段から運動不足?自転車で行ったらとても近いよ」
「…」
「封筒ならうちらも売っているじゃない?あ、のりも自分で準備して来なよ。早く帰ってこないとこっちも今日の業務が終わりに入るのよ」
少女が立ち去りました。
「封筒ならまだたくさんあるのじゃない?」
「分かっているけど、魔王の子の焦った顔をみたいよ。」
「まだ恨みに思っているのか」
「あのカラステングのどこがいいのかよ」
「多分、性格のほうかな」
「昇給リストに誰かの名前を消去したらいいのねー…」
「何でもない。そうだ、カラステングってなんなんだ、たった翼が生えただけなのに、魔族としては不純だ」
「だよねー、あのカラステングの不揃いの歯も醜い…」




