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第11½章
少女が魔王城に戻ったら、レタヌールさんが魔王城の壁に沿って登ろうとしています。1階の窓には、嘔吐したあとが付着しています。
「やがて遠くの地平線に、粘り強さの勝ちを見たわ。」
少女がレタヌールさんを無視して魔王城に入ろうとしていますが、宙から呼び止められました。
「あ、おかえりなさいませ、お嬢様」
「とにかく降りて」
レタヌールさんが猫のように降りてきました。まっすぐ立てずに、ゾンビのようにふらふらしています。
「私はどうしたらいいかわからなくて、そわそわしていた。これ以上の展開を見ないためには、逃げるしかないように思えた。」
「明日で掃除しましょ」
「人生にいくつの明日があるのか?乾杯!」
「また明日ね」
魔王城のどびらが戸締りされました。
少女がシャワーを浴びて着替えたあと、ふたたび魔王城のとびらを開けました。レタヌールさんが地面にくの字で寝そべっています。
「酒臭い…」
少女が何とか引っ張って、レタヌールさんを魔王城の中に引き入れました。
「魔王を倒すぞ」
「もう無理、おやすみ」
レタヌールさんが魔王城のホールの真ん中に置きされました。




