第9章
「一体どうしてこうなったんのだろう…」
数時間前…少女が学校から離れてマーシャン法律事務所に訪ねています。
「パパの説明がわかりにくいんだ」
「空間幾何は中学数学の基本だろう?公式を暗記すれば解けるんだ」
「だって、正四面体の外接球の半径を求める公式なんかどこでも書いていないー」
「もう神のみぞ教える。母ちゃんの皿洗いに手伝ってくる」
「四面体を想像してみ?外接球の中心があるでしょ?そしてどちらかかの頂点から線分へ下ろしたて垂線の足があって、中心と頂点と三角形ができる。その三角形で三平方を用いて方程式を立てれば、簡単に求めるわ。ちなみに立方体における外接球の直径は、立方体の対角線の長さだわ」
「どうして誰にもあたしに難しい授業をしたいと思うのでしょうか?」
「話を変えよう。その結婚指輪が患者のお尻に傷付けてしまった看護師…サラの同級生のいとこは結局どうしたの?」
「それからのことはあまり詳しく知らないんだ。 彼女に一度鉛筆を貸したことから知り合った。この数週間に1回だけ話したことがある。ん…あと彼女が明日のテストに不安がるだから、今は集中する必要があるから話しかけないでってくらいの話だ」
「そうなんだ」
「ね、ユージェ姉ちゃん、一つお願いがあるの」
「今度の試験、赤点を取らなかったら、いいわ」
「羽根ペンがほしい」
「今度の試験、赤点を取らなかったら買ってあげるわ。羽根ペン…トロワヴィルで買えるかなー」
にたりと笑うリサを見る少女がなんか嫌な予感がします。
「ユージェ姉ちゃんの羽根ペンがほしい」
「私の羽根ペン…ダメダメ!」
「魔王って我が子のようにたみを愛すべきじゃない?」
「はさみを下ろしなさい…近寄るな!」