第4章
「どうしてあたしを解放してくれた?初対面なのに…」
「今日からあなたは私のメイドだわ。3万リンジーで保釈したもの」
「…まるで気まぐれで人の運命を操つろうとする魔王みたい」
「魔王だもの」
「自分が賢いでも思っていた?」
「ねぇ、レタヌールさん、汽車に乗って来ただろう?どうして連邦国鉄の職員がストライキをしないことが分かっている?待遇がいいだから。もしも国鉄の職員がストライキを起こしたら、物流や交通がすべて麻痺状態となる。その時には、スーパーに何も買えないし、病院に薬も入ってこないのよ。ラ・シテの連中らが魔王の一族の力に怯えているから、少なくともラ・シテとブルティーノの鉄道を優先とメンテナンスしているわ。この町に魔王城が立っている以上、ラ・シテが安定を守る行動をし続けるのだろう…」
「そうなんだ」
「それくらいは分かっているわ。魔族と人間が交わった町だから、戦争の時に兵士の召集が少なかったの。ブルティーノ人を犠牲にしてラ・シテの連中の紙の上での用兵を充てることは、この町で望む人がいないわ…私からしたら、一般人にとって、この世界には2種類の死がある。平和の時代に同族からの無関心による死、あるいは、戦時におけて同族の血に飢えた情熱による死だわ…」
「示唆に富む言論だ」
「聞いてくれてありがとう。教育を受けたことのない人間に見えないわ」
「ラ・シテ南郊陸軍軍官学校141期卒業生、カルメンシータ・レタヌールと申す。」
「下ブルティノー市立大学付属ティボービル西高校在籍生、ジャンヌ=ユージェニー・ド・ルプレイヌ=ド=メだわ、よろしくね。あと、嫌でも3万リンジーまでの分を働け」
「かしこまりました。ガキ…お嬢様」
「よしよし」
少女がレタヌールさんの頭を撫でろうとしたが、届かなかったです。
「二段ジャンプ!あ、飛んだからカウントできないかしら…」
「この子、本当に魔王の一族なのか?」