第2章
「メイっち、思ったことある?エンドレスな計算より効率のあることを。地下で数十キロのトンネルを建てて、昼夜問わず魔法を打ち続いたら、何だかの結論を必ず出すぞ。もしかしたら時間も空間もチョコチップのように散らばってしまうかも」
「もし結果的に何もなかったらどうするかしら?」
「周り環境に何の作為もない魔素子が発見されたことと宣言して、ノブルトリノと名付ける」
「市立大学の学生会が1年かけてようやく300リンジーの図書購入予算を可決したことより意味があるわね」
「『東部大陸語で』姉上、これが分からないよ」
「『東部大陸語で』どれどれ?『連邦語で』この仕事は1ヶ月で ___(終わる)。『東部大陸語で』前未来形って学んだ?avoirとêtre単純未来形と併せて過去分詞…」
「『東部大陸語で』分かった。『連邦語で』またね」
「こんなんじゃ編入試験に間に合わないんだ。学校と違って誰でも簡単にお金を払えば知識や情報を提供する場所を作って商売すれば儲かるのだろう…カルメン!」
「できたいならカルモン♪」
「いい感じだわ。けど、メロディーは新聞に載せないよ」
「続けて、この五次方程式の単調性を分析する力を貸して、でないと魔導コアを遠心分離する範囲量というドラゴンを倒せないぞ」
「御意。団長さま」
「簡単に大量の数値を計算できる機械を発明したら、爆薬商人の賞杯をもらえるのかな」
「零点を計算するだけで魔導コアを遠心分離することを導くなんて、数百年前の人が思ったこともなかっただろう…できた、孤立零点だわ」
「メイっち、導関数の係数を間違ったぞ。魔導学に向いていないのなら翼っちのクラスに編入していいよ。うち、さびしくならないから」
「バカシアナに言われたら屈辱だわ」
「天才シアナへの褒美と受け入れにしよう。ゆっくりしていってね」