第7章
数日後のTchi Hauに、シンメイさんとシアナさんが課題をしています。
「閉じた系では、どのような過程でも魔力量の合計値を一定に保つか加えることができるであろう。」
「そうだけど…」
「そこで、もしも魔力が吸い込まれるアナがあって、全ての魔力はそのアナから逃れることはできない。すべての情報は視野の外からは知覚できないなら、それは何だと思う?」
「なんだろうね…魔力の壺?」
「正解だけど嫌だ。ぜんぜん格好良くない。ブラックホールとかと名付けたらどうだ?」
「格好より理解しやすさが大事じゃない?…ごめん、お客さん、臨時休業ですけど…ユージェ姫?」
「悪いけど、シンメイさん、数学の課題、貸してもらえるかしら?明日は再登校だけと、もう終わらないわ」
「1位に課題がパクリされて情けないわ…それより、目の下のクマ、ひどくない?」
「メイっち、大人のことが分かっていないのね。」
「あ、シアナさん、先日もありがとう」
「シアナ・グネルのシノワ料理以外何でも屋はリピーター多数だ」
「シノワ料理屋で居候するなら1つくらいレシピを覚えなさいよ」
シンメイさんが課題を置いて、エプロンを取ろうとしています。
「ユージェ姫、お腹空いた?パスタでも茹でてあげるよ」
「シュウマイパスタ!」
「シアナの分がないわ。食べたいなら自分で開発しなさい」
「いいえ、結構だわ。これからミローさんを訪ねて行くの」
「ミローって?」
「銃撃を止めた民兵だわ。あのとき彼女が魔法を使ったけど、憲兵の古いルールでは魔女が務められないらしいわ。シアナさんのおじさんも通じてようやって憲兵の偉い方を説得しかけているの」
「さすが魔王の末裔だ。市長と地区長の連名を集めるチカラでここまで迫力があるんだ」
「連名は出していないわ」




