第4章 (5月16日)
下ブルティーノは落ち着いた旧市街で、人々の生活や心のリズムはラングラード川の流れのようにゆったりとしています。温かく、慈愛に満ちた土地であります。この土地に住む人々は平凡な娯楽や、まだ我慢できる退屈なことに慣れてしまったことを、楽しさと呼びます。社会的地位から怠けったり、現状に絶望的に安住している人がたくさんいるからです。5月16日の朝、100人の憲兵隊がゴードロー=レ・オーブレでデモを行った時、多くの学生が不意にやってくる短い休暇を楽しんでいました。翼の生えた一人の高校生が、初めて革命運動を起こしました。古い非合理的な支配秩序を打ち破り、自分たちの時代にふさわしい新しい秩序、構造を打ち立てようと、自らの力で挑戦する者が数十年現れませんでした。
少女がジャン・ジョレ広場にある騎兵の銅像の上に立ちました。
「ブルティーノ人は自分たちの利益がどこにあるのかがわからないのであれば、それは残念なことだ。」
広場まばらであって、少女の友人以外にまれに数人が近寄ってきます。
「サン=エティエンヌの誰もが私を怪物のように見ていた。しばらくは惨めな気持ちで、世界は奇妙で恐ろしい場所だと感じた。しかし…」
どんどん人が集めてきました。
「正統性を求める闘いにおいて、間違ったアプローチをとらないようにしよう。 自由への欲望を満たすために、敵意と憎悪の杯を飲むのはやめよう。」
荷車を持った商人たちも集まってきました。
「魔族と人間よ、我々は自由の名の下に団結する! 新しい公正な世界のために戦う!」
ジャン・ジョレ広場は感動し、面白がり、好奇心を抱き、その状況を見守る多くの人々にとって一時的にホットスポットとなりました。実に素晴らしい光景でした。
「シンメイさんどいて、降りるわよ」
少女が銅像から降りようとしましたが、バランスが崩れて、うつ伏せになりました。
「ヤオマーホーイーかよ」
「ヤオマー?面白い言葉だ。メイっち、もっと教えて」
「マシュー、右手をピンと張って、掌を下に向けた敬礼をやめてもらえるかしら?」
「グラン、この子すごいでしょ?」
「絶品な本だね。いくら?へぇー、高いよ、もっと安かったら、あたし買うよ」
「新品のコーヒーはいかがでしょうか?へぇー、ジェニーちゃんの演説、もう終わったね」
だが理性はやがて、かつてのロマンチックな熱狂に取って代わるのでしょう。




