第7章
「コーヒーが使い切った…買いに行こう」
マレシャルさんとアーデンさんを見送ったあと、少女が自転車に乗って出かけました。
緑色のチェーンカフェにで。
「いらっしゃいー。あ、下ブルティーノの引っ張りだこじゃない?」
「ペリシエさん、こんにちは。ペリシエも、あの新聞を読んだ?」
「昨日の新聞の見出しはもう、誰が人気で誰がそうでないかを物語っているじゃない?ジェニーさんがふたたび魔王としてブルティーノに君臨しても応援するよ。ところが新品のイトウリコーヒーは如何?」
「ヒッポグリフのミルク入りカフェオレもスライムいちごスムージーもヒュドラー入りマグカップケーキもいらないわよ」
「ノルマが…社員割引やるから、どうにか一杯でも買ってくれる?魔王様」
「じゃ…冷たいイトウリコーヒー1つ、トールで。あと300グラムロプノールスタコーヒーもください。」
「49リンジー30センだぞ」
「その…引換券使える?」
「あ、それ、先週に期限切れだった」
「まあ、ペリシエさんからもらったものだから、別にいいわ」
少女がイトウリコーヒーをひと口飲んだら、すぐにも吐き出しました。
「まっず」
「新品だから、バランスが崩れているのかも…コーヒーていうのはちょうどいいロングセラーのほうがおいしいだろう。けど、新品を開発しないと、顧客に見捨てられる。現実は誰にでも妥協することを教えている。椅子どりゲームも、競走も、いずれにせよ、現実は合理的であろう。」
「そうかもしれないわね」
「その現実を受け入れて共生すればいいんだ。生活が忙しくなると、感情を表す時間がなくなり、悲しいときは毛布をかぶって眠り、目覚めるか前に進むことになる。そしてある日、振り向くと、歯を食いしばって長い道のりを歩んできたことに気づくのだろう。魔王城をほっておいで、学業に専念したらどう?うちに来て居候してもいいよ」
「ごめん、パート・ド・フリュイも100グラムください。」
「ん?いいけど」
「パート・ド・フリュイ入りイトウリコーヒーを作るわ」
少女が大量のパート・ド・フリュイをイトウリコーヒーに入れました。
「物事が難しいのは、それをするのを恐れているからだ。目的地を知っている人こそ、最も遠くまで旅する人だわ。」




