幕間4
「魔族の由来はいくつかの仮説がある…しかし、魔導学も魔族も関する文献は、○○時代から徐々に減っているじゃない?」
「私からすれば、ある特異点を区切りで、魔導学と科学によって発展する世界はぶつかった。ビッグバン理論のように」
「でも、これは学会に承認されない、あくまで五月ヶ原さんの個人的な観点にすぎないじゃない?」
「いつか明確な証拠を見せる」
女の子が失望した顔のままある建物から出て、1回建物の入り口を振り返って見たら、去りました。
「にしても…今日まで更新しないと、県立図書館で文献調査ができないわ」
峰室県市民サービスセンター。女の子が閑散なセンターで何かを待っています。
「俺の名前は矢塚ミタロウ。知られないダサーいとこで暮らしている平凡な公務員だ。…ああ、精霊とか女神とかにとも対話できたらいいなー」
女の子の目先に男の人が古びた本を読んでいます。
「だが、俺、魔法の才能がないな…」
魔法という言葉もまさに知る人ぞ知る時代だから…と男の人が納得しました。
「才能がある訳ないだろ」
女の子が男の人に声をかけます。
「すみません、県立図書館の閲覧証を扱うのはここですか?」
「ん?えぇ、ここだけど」
「閲覧証を更新したいです」
女の子が県立図書館の閲覧証を男の人に渡しました。
「へぇー、五月ヶ原由理依というんだ」
「すみません、サツキガワラというんです。」
「じゃ…これとこれと、これを万年筆を書いて、と顔写真4枚くらい…勤務先か在学先の紹介状…あと無犯罪証明書も2部くれる?」
「そんなの持っていないよ…県立図書館の閲覧証を更新するのに…」
「手前のかからない方法もあるよ」
男の人がお金のジェスチャーをしました。
「お金の悪魔に魂を売る気はないわ」
「残念ながら、サツキケバラさんの更新は今日ではできないな~」
女の子が手をグーと握ったままセンターから出ました。
「…ドルボヨッブ」
「ひ~やし~クワス♪」
クワスの移動販売行動機械が通りかかりました。
「待ってくださーい!」
女の子がクワスの移動販売行動機械を呼び止めました。




