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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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異世界人の邂逅

『鎮魂歌による憑依

 小松原 零斗の哀しみの感情が最高潮になった時に発動できる。

 モンスター1体の攻撃力を、自分の捨て場にあるカードの枚数の3倍の数上昇させる。 ただしこの攻撃を行った後、次のコンバットタイム時、そのモンスターは攻撃が出来ず、魔法、装備、領域カードの効果を受け付けない。』


 感情が最高潮になった時に起きるスキル。 どうやらそう言ったところまで俺と似ているらしい。 しかし向こうは慈愛か・・・ でもこれは生き様とか性格とかが、スキルに反映されているからだろう。


「拙者はこのスキルをライジングに付与する。 そして拙者の捨て場には10枚の札がある。 これによりライジングの攻撃力は60となるで御座る。 戦闘開始! ライジングで器に攻撃をするで御座る! 更に捨て場に存在する「孤高剣」を代償を5つ支払うことで使用するで御座る。」


『装備カード:孤高剣 レアリティ 水色 コスト5

 このカードを装備したモンスターを攻撃対象に選択できない。

 手札が0枚でこのカードが捨て場にある時、1度だけ自分フィールドのモンスター1体の攻撃力を10上昇させる。』


 ここで更なる攻撃力の上乗せか。 確かにライフコアに直接攻撃を出来るのは大きいし、なによりこちらの干渉が一切出来ない仕様になっている。 これは受けざるを得ないだろうな。


 そうしてライジングが俺のライフコアに一刀両断を行った。 これにより俺のライフコアはかなり削られてしまった。


「休息に入り、拙者は休戦に入る。」


 そして向こうのターンが終了する。 こちらのターンではあるが、俺はすぐにはカードを引かない。 それに疑問を思ったのか、零斗の方から声がかかった。 勿論日本語で。


『なぜ引かぬで御座る? 今は汝の時間であろう?』

『なんであそこでスキルを使ったんだ? 今の俺のライフコアを見てみろよ。 まだ俺のライフコアを削るまでの力量じゃあ無かっただろ? それに・・・』

『拙者は、傭兵をやっていた。 しかし守るものが無くなったので御座る。 いや、正確には守るものから外されたので御座る。』

『外された?』

『王政交代と戦争の終局によって、全てがガラリと変わって、真っ先に切られたのは、拙者達のような傭兵で御座った。 それから拙者は使い道を見いだせなかった金を少しずつ崩してかれこれ1年は流離いになっていたので御座る。』

『・・・』

『故に、この戦いに、汝が敵になり得る事がないと分かった今、拙者の全力を今出し尽くしても悔いはないと思ったので御座る。』

『・・・そうかい。』


 やるせない気持ちが俺の中で込み上げてくる。 確かに今のこの制約カードバトルにもはや意味など感じない。 だが


「一応戦いは戦い。 あんたが全力を出したなら、俺もそれに応えたい。 俺のオープニング、そしてドロー。」


 俺が今引いたカードを確認する。 ・・・これは・・・。 ・・・そうか。 この戦いが生き様だと言うのなら、それを示すのも、カードのようだ。


「プラポレーションタイム。 俺はコストを24支払って「夢を誘う流離い人」を召喚する!」


 召喚されたのは全身をローブで覆った人物だった。 目元も隠れているので、男性か女性かも分からない。 だけど凄まじいオーラを放っているのは俺にも分かった。


「お主、その札の者は・・・」

「俺の新しい切り札だ。 その効果は複数存在する! 第一の効果! 自分の捨て場に「妖精族」が存在する時、そのモンスターをコストを支払わない代わりに、召喚時効果を無効にして、捨て場から召喚する! 戻ってこい! 雨降りにさ迷う少女!」


 夢を誘う流離い人が手を翳すと、そこから「雨降りにさ迷う少女」が現れる。 そして領域カード「染み渡った晴天」の効果により、即座に「救われし少女」へと変化する。


「夢を誘う流離い人の第二の効果! 自分のフィールドに「竜族」または「竜人族」が存在する時、自分のフィールドに存在するモンスター全てに攻撃力を5上昇させる効果を付与する!」


 これによって「染み渡った晴天」の効果も含めて攻撃力が10ずつ上がった計算になる。


「更に第三の効果! 自分フィールド、または捨て場に「爬虫類族」が存在する時、このモンスターは2回攻撃が可能になる! そして第四の効果! 自分フィールドに「鳥獣族」が存在する時、全てのモンスターの攻撃力を、夢を誘う流離い人に集約させることが出来る! ただしこの効果を使った時、コンバットタイムに攻撃が出来るのはこのモンスターのみとなる。」


 夢を誘う流離い人は天に右手を掲げると、インファイトラミアとキッキングホークも同じように手を掲げ、オーラのようなものを流離い人に与えていく。 そのオーラの中には、「救われし少女」と「竜の産まれ変わり」からも出ていた。


「・・・なるほど。 それは汝と供に過ごしてきた者達の力なので御座るな。 丁度あそこでこちらを観戦している者達のように。」


 そう言って俺の後ろにいるみんなを見る。 その表情は物腰柔らかくなっていた。


「拙者は汝の想いを受け止めよう。 さぁ、来るが良い!」

「それなら行かせて貰うぜ。 コンバットタイム! 夢を誘う流離い人の1回目の攻撃!」


 流離い人は腰にあったであろう剣を構え、ライジングと対峙する。 そして一閃をライジングに与える。 零斗のライフコアが削られていった。


「流離い人よ! もう一度攻撃を加えるんだ!」


 そしてその一閃を終えた構えから、再度同じ構えをして、ライジングを捉え、そしてもう一度一閃を加えた。 そして零斗のライフコアが「0」になった。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 これにて終幕だ!」


『勝者 セイジ ノムラとなりました。 これにより、レイト コマツバラの情報を共有してください。』


 AI領域が消えていき、先程の通りに戻った。


「ご主人様!」


 アリフレアが一目散に飛び付いてきた。 よっぽど心配を掛けていたのかな?


「相手がスキルを使ってきた時は焦ったものだが、どうやらなんとか勝てたようだな。」


 ベルジアも声を掛けてきて、みんなして零斗を見たが、なにかを言おうとしていたので、俺が制止を掛けて、俺が近づいて零斗さんに声をかける。


「それでどうします? 一応説明はしてもらうんだけれど。」

「拙者は流離い人。 話した後はここを去るで御座るよ。」


 うーん。 確かに普通ならそうするんだけど・・・ 俺はため息をついてこう言った。


「さっきの夢を誘う流離い人なんだけどね。 まだ最後の効果が残っているんだよ。」


『モンスター:夢を誘う流離い人 レアリティ 金 コスト 24

 種族 戦士族

「召喚時」自分の捨て場に存在する「妖精族」がいる場合、コストを支払わない代わりに、モンスター効果を無効にして召喚する。

 自分フィールドに「竜族」もしくは「竜人族」がいる時、自分フィールドのモンスターの攻撃力を5上げる。

 自分フィールド、もしくは捨て場に「爬虫類族」がいる時、このモンスターは2回攻撃出来る。

 自分フィールドに「鳥獣族」がいる時、このモンスターに、全てのモンスターの攻撃力を、このモンスターに与える。 ただしこの効果を使ったときのコンバットタイム、このモンスター以外のモンスターは攻撃が出来ない。

 このモンスターが破壊したモンスターを、相手の捨て場から攻撃力を半分にして、自分フィールドに召喚する。

 ATK 16 HP 36』


「まあ、そっちのモンスターは攻撃で破壊は出来ないし、俺のフィールドにはモンスターで埋まっていたから、本来なら効果は発動しないんだが、今回のカードバトルは、俺達の道筋を見せていた。 今までが過去なら、これは未来の姿なのかもしれないな。」


 そう言って俺は手を差しのべる。


「あんたが良ければ、一緒に来ないか? 俺は歓迎するぜ。 それにあんたも知りたいんじゃないのか? 自分がなんのためにこの世界に来たのかを。」


 それは俺にとってもいい提案だと思う。 ここで日本人に会えるとは思ってもなかったので、是非とも前の話をして、気分を紛らわせれるだろうと思うし。


「・・・汝との出会いは最悪だったというのに、そんな拙者を誘ってくれるか。」


 そう言って零斗さんは俺の手を取ってくれた。 まずは少しずつ溶け込んでいければと思った。

国を離れて初めての仲間(5人目)です。


レイトが今の世界に来た理由は、後々お話しします

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夢を誘う・・人が主人公で、妖精、少女、爬虫類、鳥類、の効果を読んだ時に鳥肌が立ちました。最後の効果を戦闘後に説明するのも展開的に好きです!
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