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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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名前に恥じぬテーマ

 始まった制約カードバトル。 ダイスを振る、その前に


『ああーあー。 うーんこれで日本語を喋ってることになるのか?』

『む。 汝もその言葉を喋れるので御座るか。』

『あんたの口から日本語、なんて言葉を聴いたらな。 しかしこの世界に来てこの方、ずっと普通に喋ってたはずなんだが、やっぱり異世界言葉に変換されてたのか。』 

『どうやら拙者が思っていた人物では無かったようだ。 まずは謝罪をするで御座る。』


 謝られても制約は続く。 とはいえ勝手な誤解が解けたのはありがたい。 そうと決まれば、制約カードバトルは無意味なのではないかと考えたが、あくまでも「開示」なので、制約上ではまだ続いているのだ。 俺はダイスを振る。 そして相手も振る。 俺は「78」、相手は「55」俺の先行だ。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 普通に始めたものの、よくよく考えりゃこれ以上互いに隠しだてするような物じゃないような気がしたので、改めて相手との対話をする。


『あいつらにはこの会話は聞こえないし、聞こえてたとしてもこの言語なら分からないみたいだから、教えてくれよ。 あんたのこと。』

『いいのか? 汝を勝手に悪だと決めつけていた男の話なぞ・・・』

『その事情も含めてって意味だよ。 あ、俺は野村 清司 あんたの予想通り、俺は日本生まれだ。 この世界の理で産まれた人間じゃない。 ま、それはカードバトルをしながらでも語ろうぜ。』


「俺はコストを10支払い、魔法カード「歴史改変の代償」発動を発動する。」


『魔法カード:歴史改変の代償 レアリティ 銅 コスト10

 プレイヤーは3枚カードをドローする。 その後自分の手札にあるカードを相手に見せる。 そしてそのカードを捨て場に送り、今後そのカードはいかなる方法での使用を不可能にする。』


 ミカラ様戦の時に感じたことだが、俺にはドローカードが少なかった。 正確には使い勝手が悪かった。 今回入れ換える前の「リカバリードロー」だとカードを使用した上でコストを支払って手札の補充になるので燃費が悪すぎた。 なので今回の「歴史改変の代償」と入れ換えることにしたのだ。 代償は軽いものではないが、仕方の無いことだ。


「俺はカードを3枚ドロー! そして手札にある「クロウドリル」を見せてから捨て場に送る。 これにより、今後「クロウドリル」の使用が一切出来なくなる。 そしてコストを8つ支払い、「雨降りにさ迷う少女」を召喚。 そしてこのモンスターが召喚されたことにより領域カード「雨降りの路地裏」を発動される。 対象は雨降りにさ迷う少女とする。」


 少女が現れて、そのあとすぐに雨雲が現れ、少女ごとその場を濡らしていく。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


『汝の心遣い、感謝するで御座る。 拙者も名乗らせて貰おう。 拙者は小松原 零斗(こまつばら れいと)と申す。 齢は25になる。』


 む、年上か。 まあなんでもいいかそこは。 重要なのはそこじゃないからな。


「拙者の開戦、そして山札を引く。 準備時間に入る。」


 そんなところまで古風なのね。 かなり昔の人か? いや、それならこのカードバトルに対しての順応が早すぎる気がする。 本当に何者だ?


「拙者は代償を5つ支払い、「異次元からの渡来者」を召喚する。」


『モンスター:異次元からの渡来者 レアリティ 紫 コスト 5

 種族 アンチマン

 このカードは召喚したターン、コンバットタイムで攻撃が出来ない。 またこのカードは攻撃する度に攻撃力が3下がる。

 ATK 9 HP 6』


 出てきたのはボロボロのローブを羽織った身なりもボロボロな男だった。 しかも妙なのはそのカード効果。 最初に戦闘できないし、体力も少ない。 なにをする気だ?


「拙者は手札のカード2枚と、場の「異次元からの渡来者」を糧とし、このカードを代償を支払わずに召喚する。 来るがよい、「孤高の新衛兵」!」


『モンスター:孤高の新衛兵 レアリティ 銀 コスト 16

 種族 衛兵

 このカードは手札を2枚と自分フィールドのモンスターを捨て場に送ることで、コストを支払わずに召喚する事が出来る。

 ATK 18 HP 21』


 ノーコスト召喚のための布石だったか。 それにそう言った効果を持つモンスターって、大体初手で出した方が仕事できるのはよく聞く事だ。だけどそれだけのために手札を減らすような事をする意味があったのだろうか? ましてや今はまだ1ターン目。 いくら制約カードバトルとはいえ、飛ばしすぎじゃないか?どういった意味があってそんなことをしたのか。 そしてあのモンスターは・・・


『あんた、もしかしてこの世界に来て傭兵になったのか?』

『うむ、この世界に飛ばされた時に、拙者はとある国の訓練所に、気が付いたらいたで御座る。 我も相手も状況が一切分からなかったが、剣を触れるということだけ分かると、拙者を傭兵として率いれたので御座る。 最初こそ言葉が分からなかったが、その日の夢で神と名乗る者から、言語が分かるようにと、今の装飾品を貰ったので御座る。 故にこの札遊びも出来るという訳で御座るよ。』

『・・・そうかい。 なんか詮索したようで済まなかった。』

『気にするでない。 それにバトルはバトル。 手を抜くつもりはないで御座るよ?』


 それは俺だって同じだ。 なら見せて貰おうか、あんたの実力を。


「拙者は代償を8つ支払い、領域カード「訓練古戦場」を展開するで御座る!」


『領域カード:訓練古戦場 レアリティ 桃 コスト8

 手札を1枚捨て場に送ることで、相手の使用した効果及び領域カードを無効にする。 効果を無効にする場合、相手が支払ったコストは元に戻る。 このカードは3ターン後に自動的に破壊される。』


 そうして相手の、零斗の下から闘技場が出てくる。 しかし3ターン後とは随分と使い勝手の悪い・・・いや、そもそもこの領域カードに使い勝手を求めるべきなのか?


「拙者は手札を1枚捨て、「雨降りの路地裏」の領域をこのターンのみ無効化する。」


 雨降りの路地裏が無効化されたことにより、雨降りにさ迷う少女は攻撃対象として選択できるようになってしまった。


「戦闘を仕掛ける! 孤高の新衛兵で雨降りにさ迷う少女を攻撃!」


 そうして突っ込んでくる新衛兵。 だがこの少女を倒される訳にはいかない!


「俺はコストを12支払い、インタラプトカード「嘘判定(ジャッジメントライ)」を発動!」

「無駄で御座る! 手札を1枚捨て場に送ることで、そのカードの発動を無効化するで御座る!」


 ブレ始めた少女は1体に戻り、再び攻撃が飛んでくる。 だが


「俺の本命カードはこっちだ! コストを7つ支払い、インタラプトカード「ツギハギの折り畳み盾」を使用! これにより少女に攻撃は届かない! 更にコストを3つ支払うことでこのカードは手札に戻る。」

「なるほど、相手の策略に引っ掛かってしまった様で御座るな。 休息に入り、休戦に入るで御座る。」

「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 相手の手札は0枚。 古戦場の効果は発動できないが、これからどうするか。 少女は雨降りの路地裏の効果で攻撃対象にはならないが、こっちも攻撃のためにはコストを2つ支払わなきゃならないし、手札に今の状況を打開できる策もない。 初手から銀レアを出されるとは思ってなかったからキツいかもな。 なら次のカードの次第でいこうか。 こいつを使うのは何気に初めてか。


「俺はコストを10支払って、「デジャヴィジョン」を発動。 前に使用した「歴史改変の代償」を使用する。 ただしこのカードを使用したこのプラポレーションタイムとコンバットタイムは行動できない。 そして「歴史改変の代償」の効果でカードを3枚ドロー。 そして手札にある「静電気発生装置」を捨て場に送る。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 デジャヴィジョンの利点は前に使った魔法カードを使えることだが、反面そのあとなにも出来なくなるのが正直キツい。 まあそれだけのデメリットが無いとここまで強力な効果もないしな。


「拙者の開戦、そして山札を引く。 準備時間に入る。」


 手札は0から1になる。 その1枚になにを・・・と考えていたら不意に目を閉じる零斗。 なんだ? 急に。


『セイジよ。 拙者がなぜあの場で「訓練古戦場」の効果を2度使ったか、その意味が分かるで御座るか?』

『え? なんて事はないだろ。 強力なカード効果だったから効果を使用した。 それだけの事だろ?』

『当然そう捉えるのが自然であろうぞ。 だが真実は違う。 拙者の本当の狙いはここにある!』


「拙者の手札が無い時にこのカードを引いた時、このカードは代償を支払わずに召喚する事が可能!」

「なに!? コストを支払わずに!?」


 まさかこれが奴の狙い!? 手札を敢えて無くすことで、最大限の力を発揮するこの戦術。


『そして汝はこの戦い方を知っている。 そうであろう?』

『・・・こんなところでお目にかかれるとはなぁ・・・あんたのデッキテーマは・・・』


 ここで俺だけ知ってもしょうがない。 ならば敢えてこっちの世界の言葉で言ってやろう。


「・・・ハンドレスコンボ・・・ 手札が0枚になった時に真価を発揮するデッキ。」

現状

レイト ライフコア 100

孤高の新傭兵

訓練古戦場


セイジ ライフコア87

雨降りにさ迷う少女

雨降りの路地裏

『』の中での会話は全部彼らのみが喋れる「日本語」だということにしていきたいと思います。

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