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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第一の章 今の世界を知る
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スキルの発動

 怨霊が現れたところで手札を再度確認する。 俺の手札には今引いた「アイスドラゴン」、「マジシャンドール」、「ファイアコロシアム」、「カーテン・ザ・マント」の4枚となっている。 どれもこれも決定打にはならない。 しかしライフを削られてしまっている以上、奴からの攻撃は極力避けておかなければならないし、ライフはなるべく温存したい。


「プラポレーションタイム。 俺はコストを6支払い「マジシャンドール」を召喚する。」


『モンスター:マジシャンドール レアリティ 紫 コスト6

 種族:人形

「召喚時」 このカード以外の「マジシャンドール」を山札から召喚する。

「破壊時」 捨て場にマジシャンドールが2体になった時、コントローラーは山札から1枚カードを引く。

 ATK 10 HP 9』


 下から同じ様にマジシャンドール、操り人形が現れる。 そしてその隣にもう一体のマジシャンドールが生まれる。 このカードのありがたいところはこのカードが2枚破壊されてカードを引くことが出来る部分にある。 ドローソースは何よりも重要なのはどのゲームにおいても一緒のことだ。


「更に俺はコストを10支払い、装備「カーテン・ザ・マント」をスティールに装備させる!」


『装備:カーテン・ザ・マント レアリティ 桃色 コスト10

 このカードを装備したモンスターは1ターンに1度、自分に受ける攻撃を無効化する。』


「ちっ! また攻撃無効かよ! しつけぇなぁ!」


 確かに攻撃を回避することは出来るが、キッキングホークと違うのは、これは装備モンスターを対象に攻撃してきた時にしか発動はせず、他のモンスターが狙われた場合は対処出来ないという点だ。 だがこれで今のところの最大火力となるスティールは守れそうだ。


「コンバットタイム!」


 まずは攻撃力をあげる厄介な女帝を崩さなければ。 あいつさえいなくなれば、この力押しの戦いは無くなる。


「俺はスティールで女帝を攻撃する!」


 スティールは女帝に向かって攻撃を開始する。 だがそこで思わぬ事態が起きた。 なんと女帝は待機してきたディービーストの首を鞭で縛って引っ張り上げて、自らの盾としたのだ。


「なっ! 女帝にはそんな効果は無い筈だ!」

「くっくっくっ! その反応だと「スキル」について知らないようだなぁ! こいつは俺に有利だぜ!」

「「スキル」?」


 お、おいおいそんなの知らないし、貰ってもいないぞ。 この時点であいつと大幅なハンデが生まれてるじゃないか。 ここまで来て無スキルで戦えなんてとんだ無茶を言うもんだ。


「俺のスキルは「我が身を盾にマイボディ・アス・ア・シールド」! これにより俺は自分のフィールドに存在する、最もコストの高いモンスターの攻撃対象を任意のモンスターに変更する事が出来る! 女帝には手出しさせねぇぞ。」


 確かにこれでは女帝まで攻撃が届かない。 いくら女帝に攻撃しようとも、他のモンスターで狙いが逸れてしまう。 だがその反面あることに気が付いた。


「その割にはライフコアの減りが凄いことになってるけど?」


 そう、他のモンスターが攻撃対象になろうが、差額計算は行われるのだ。 なのでこの時点で相手のライフコアは「63」となっていた。 つまりあのスキルはあくまでも対象を変更するだけであって「ダメージの無効化」には繋がらないというわけだ。


 ならばどうするか。 自分のライフコア削らないように女帝で守ってくるか。 それとも女帝を守るためにモンスターと自分のライフコアを削るか。 


「俺は1体目のマジシャンドールでもう一度女帝を攻撃!」


 当然のように対象を変えてくるか、女帝の体力を減らすか。


「スキル「我が身を盾に」発動! 対象をオックスフォードに変更させる!」


 なるほど、それなら対象はオックスフォードになるが、攻撃を受けるのは「保存の鉄檻」になるからダメージも無いという寸法か。


「ならばその鉄檻を破壊してやる! 残ったマジシャンドールと怨霊達でその檻を破壊するんだ!」


 そういってモンスター達は檻をバキバキに破壊する。 耐久値的にもちょうど破壊が出来るので、これでオックスフォードは放たれ、女帝の効果を受けることはなくなった。


「はん! 鉄檻を壊したところで、それ以上は攻撃が出来なかったようだな! 俺のライフコアを削れるチャンスだったのによ!」


 そう挑発をしてくるが、あのまま女帝を攻撃しようが、結局はスキルの効果によって鉄檻に1度対象を変更されてしまう。 おそらく最初のディービーストは見せしめだったのかもしれない。 まだこちらのライフは半分近く残っているが、使いどころを間違えれば一瞬で持っていかれそうな体力でもある。


「クールタイムに入り、俺はエンディングに移る。」


 相手のモンスターは1体しか減らせず、ライフもまだ向こうの方が上。 しかも今の手札じゃ勝ち目はない。 なんとかしないと。


「俺のオープニング! そしてドロー! ・・・ちっ。 このカードじゃ止めをさせねぇじゃねぇか。」


 どうやら相手も望んだ手札ではなかったようだ。


「だがそのめんどくさい怨霊を消してやるぜ! コストを6支払い、魔法カード「小規模のつむじ風」発動! これでお前のお墓もおさらばだ!」


『魔法:小規模のつむじ風 レアリティ 水色 コスト6

 このカードの発動時、発動したプレイヤーは相手の装備、もしくは領域カードを無条件で破壊する。』


 発動した瞬間に俺のフィールドに風が吹き荒れ、それはどんどん強くなり、墓場が全て持ち上げられ、終わった頃には宙に浮いていた墓場は全て下に落ち、墓が破壊されて、それについていた怨霊達も消え去っていった。


「そしてバトルだ! 攻撃力はまだ上げたかったが仕方ねぇ! オックスフォード! その怪盗に引導を渡せ!」


 そういってオックスフォードは突進をしてくるが、俺にはカーテン・ザ・マントがある。 どうせ一発じゃ死なないが、攻撃力はオックスフォードの方が上。 ならば使うのはここが最善手だろう。


「カーテン・ザ・マントの効果によりオックスフォードの攻撃を無効化する。」


 マントをヒラリと覆し、オックスフォードの攻撃をかわす。 しかし効果は1体のみ。 これ以上は攻撃を凌げない。 おそらく・・・


「ディービースト2体でマジシャンドール2体に攻撃!」


 ディービーストが人形に向かって一心不乱に突っかかる。 そして人形は粉々に破壊された。


「マジシャンドールの効果! マジシャンドールが捨て場に2体になった時、カードを山札から1枚引く!」


 カードをドローして確認する。 引いたのはリトルデビル。 ここではあまり役には立たないカードとなってしまった。


「そして女帝で小汚ない怪盗に鞭を入れてやれ!」


 女帝の鞭にスティールは痛め付けられるが、攻撃力だけでみればスティールの体力を減らすことは出来なかったようだ。 こちらも安心しつつも、ライフコアの残りは「28」。 ライフコアを使えるセーフティラインは刻一刻と迫っている。 召喚をしてこないところを見ると、やはり手札が悪かったようだ。


「ちっ! 削りきれねぇ! クールタイムに入り、エンディングを迎える!」

「俺のオープニング、そしてドロー。」


 補充コアは18となるが今の手札では・・・そう思い先程引いたカードを見ると、まるでこの機会を待っていたかのようなカードが来てくれた。


「プラポレーションタイム! 俺はコストを12支払い、魔法カード「リターンアンドドロー」を発動!」


『魔法:リターンアンドドロー レアリティ銀 コスト12

 手札のカードを山札に戻してシャッフルし、その後戻した手札の枚数分ドローする。』


 ここに来て手札の入れ替えカードが来てくれるとは思わなかった。 これでまだ逆転の機会が作れた。 俺の作ったデッキはまだまだ改良の余地のある未完成なデッキだ。 しかもリターンアンドドローを使った後の3枚のカードを上手くつかいこなせれるか。 それは俺の引き運と来てくれるカードによる。 だがこの場を凌ぐなり、形成を逆転させるなり、勝利への1手は確実に掴みとってみせる。


「山札をシャッフルし、そして山札に入れた3枚分、ドロー!」

相手側 ライフコア 63

従わせし女帝 クーリャンセ

オックスフォード


清司側 ライフコア 28

怪盗ハンドスティール(カーテン・ザ・マント装備)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 脳筋の力押し戦法だと思っていたのに、こんなに防御が堅いなんてすごいコンボですね!(*'ω'*)
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