即席として
「自分のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
そうこうしているうちに警官さんのターンです。 なにが出てくるのでしょうか?
「自分はコストを5つ支払って「職務質問」を使います。」
『魔法カード:職務質問 レアリティ 紫 コスト5
プレイヤーを選び、カードを1枚ドローする。
そしてドローしたプレイヤーはカードの種類を宣言する。
お互いに確認し、そのカードが宣言した種類のカードの場合、次のターン、その選択した種類のカード以外のカードを使用できる。
そのカードが選択した種類でない場合、次のターン、その選択した種類のカードしか使用できない。』
なんとも意地悪なカードなんだろうと私は感じた。 当てたらその当てたカードを使えない。 でも外すとその種類以外使えない。 それでは本当に使いたいカードが使えなくなってしまう。
「そしてその対象なんだけど・・・そっちのお兄さんでいこうか。」
「ご主人様!」
「気にするなアリフレア。 ギャンブルは苦手だが運試し程度なら乗っても悪くない。」
そう言いながらカードをドローした。 ご主人様のデッキを把握していないので、なにがどのくらい入っているのか分からない。 だけどご主人様はなにかと落ち着いていた。 特に今行われていることに恐怖など感じていないのだ。
「・・・俺は魔法カードだと思うぜ。 ・・・確認するぞ。」
先程引いたカードを表向きにして、確認をすると、「トレント」さん。 モンスターカードでありました。
「では次のあなたは「魔法カード」以外の使用を禁止します。」
「ん。 了解した。」
警官さんの淡々とした言葉にも、ご主人様も淡々と返していました。 まるで分かっているかのように。
「あの、ご主人様?」
「俺のデッキには領域カードと装備カードは精々3、4枚程だったし、それで外す方が危険だから、二者択一をしただけだよ。 それにこの効果が発揮されるのは俺のターンのみだ。 アリフレアは気にしなくても問題はない。」
その言葉を言うご主人様の表情は先程の怖い表情とは違い、冷たい感じがしました。 私には絶対に見せたことの無い、そんな表情になっていました。
「自分は更にコストを10支払い、「ドライブパンダ」を召喚します。」
『モンスター:ドライブパンダ レアリティ 銅 コスト10
種族 獣族
「戦闘時」相手はインタラプトカードを使用できない。
ATK 7 HP 15』
車の形をしたパンダさんが現れました。 見た目は大人しそうなのですが、少し怖いです。
「クールタイムに入り、自分はエンディングを迎えます。」
そう思っていたら、警官さんは攻撃しないで、そのまま私の番に回してきました。
「おい。 なんで攻撃せんかったんや? なんでみすみす相手に手番を回したんや?」
その行為に少し苛立ちを感じたフクラーさんは、警官さんに声をかけます。
「相手の場にいる「ダウナーな音楽家」。 あれはこちらが攻撃をしたタイミングで、攻撃力を下げてきます。 ブラックドックもドライブパンダも、あのモンスターがいる限り、攻撃を仕掛けに行ったところで、まともに通りませんよ。」
「ワイの場には「ばらまきゴブリン」がおる。 それの効果で攻撃力を上げる算段の筈やろ? せやから・・・」
「それも無意味です。 向こうの効果の方が上ですから。」
そう警官さんが自分で説明をしました。 というか今の言葉だとまるで・・・
「打ち合わせ通りにいかないのもこのゲームの嗜みだろ? 即席にしちゃあ、随分と相手のモンスターについて知っていたからなぁ。 即席ならある程度は手探りになる筈なんだが・・・それが見られないから、おそらくどこかでこうなるように仕向けてたな?」
そうご主人様は指摘しているけれど、向こうはどこ吹く風と言った具合で、関係は無いのではと感じてしまう。
「ま、俺は個人的に警官さんとはカードバトルしたくはなったがな。 今度はサシで。」
「おんしらに次があればエエけどな。 ほれガキ、はよう始めんかい。 いつまでぼぅっとしとんねん。」
そう言われて、そういえば私の番だったと思い出した。
「わ、私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
次になにを出せばいいのか、この場面をどうするのか、色々と考えてしまうけれど、ご主人様は「アリフレアの思うようにやるんだ。」と言ってくれたので、私もそれに答えるために、自分の意思でカードを出すことにした。
「私は、コストを8つ支払って、「ブリーズフェアリー」さんを、召喚、します。」
『モンスター:ブリーズフェアリー レアリティ 紫 コスト8
種族 妖精
相手の破壊効果が発動した時、対象をこのカードにする。 この効果を使用した後にこのカードが破壊された時、カードを1枚ドローする。
ATK 14 HP 7』
今度現れたのは緑色のフェアリーさん。 案内妖精さんを抜けば、赤、青、緑の3色のフェアリーさんがいることになります。 これなら相手も対処が難しい筈です。
「コンバットタイム。 私は・・・」
「自分はコストを4つ支払って、インタラプトカード「セキュリティゲート」を発動します。」
『魔法カード(インタラプト):セキュリティゲート レアリティ 水色 コスト 4
相手のコンバットタイム開始時、このカードを使うことで、相手のコンバットタイムを飛ばす。』
急に門が現れて、向こう側が閉められてしまいます。 これでは攻撃は通らないので、仕方なく、このまま終わりを迎える前に。
「私は、クールタイムに、入って、アクアフェアリーさんの、効果で、ご主人様のライフコアを、回復、させます。 これでエンディング、です。」
ご主人様のライフコアを回復させた後に、改めて、場面を見返します。
相手は「磨かれた街」に包まれて、犬さんパンダさんといて、微妙に似つかわしくない格好のゴブリンさんがいます。
一方私達は私の方にフェアリーさんが4体に、お花畑が広がっています。 ご主人様の方も、エイリアンさんと、音楽家さんがいるので、不思議な空間になってはいますけれど、特に不快には思いません。
「さっきワイらを「即席」ゆうたよな。 やがな、そんなガキと組んだだけのようなあんさんには負けられへんねん。 これもプライドや。」
「あんたもアリフレアの事を言えないじゃない。 無駄口たたいてないで、さっさとやりなよ。 あんたのターンだぞ。」
「この青二才がぁ。 負けたらその生意気な口、二度と叩けんようにしてやるわ。 ワイのオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム! ワイはコストを4つ支払い、装備カード「強堅の首輪」を「ダウナーな音楽家」に装備させる!」
『装備カード:強堅の首輪 レアリティ 水色 コスト4
このカードを装備したモンスターは、体力を10増やし、戦闘では破壊されなくなる代わりに、効果を全て使えなくなる。』
フヨフヨと浮いてきた首輪は、ダウナーな音楽家さんの首に付けられました。
「なるほどな、本来の目的は効果の無力化か。 でもいいのか? ダウナーな音楽家は倒しにくくなったんじゃねえのか?」
「そいつを破壊するまでの時間稼ぎや。 関係あらへんがな。 ワイはクールタイムに入り、エンディングを迎えるわ。」
あちらもあちらで攻撃をせずにご主人様に手番を回しました。
「そっちの警官の人に散々な事を言っておきながら、あんたも攻撃はしてこないんだな。 まあ、そいつの攻撃力じゃ、俺たちのモンスターのどれも倒せないからなぁ。」
「はん。 なんとでも言え。 お前さんの今の状況ならなんも怖くないんやからな。 それにそっちもそのガキとはおろか、タッグなんて初めてやろ。 ワイには分かんねん。 あんさんらはタッグのド素人ってことはな。」
フクラーさんの言う通り、私達は今回が初めての2人での戦い。 私が足を引っ張らないようにと頑張っているけれど、果たしてご主人様にどこまで届いているのか、それは分からなかった。
「確かにタッグ戦なんてのは初めてだ。 パートナーの戦略も知ってこそ、タッグ戦では真に力を発揮できる。 けどな。」
そう言ってご主人様は私の方に手を差しのべてきました。
「俺はアリフレアの事をずっと見てきているし、アリフレアも俺の事を見てくれている。 互いを見ているからこそ、本人が気が付かない所は、相手が見ている。 それだって立派なパートナーとしての役割だ。 今はまだその時じゃないがこの場で見せてやる。」
「ご主人様・・・」
そんなにも私を見てくれているご主人様に、私は涙が出る想いになっていた。 やっぱり私は、今のご主人様に拾われたことは、間違いじゃなかったことを示しているんだと、証明されたのだった。
「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺はコストを12支払い、「リターンアンドドロー」発動。 これにより俺の手札5枚をデッキに戻し、シャッフルする。 そして俺はその枚数分、ドローし直す。」
そうして引き直したカードを見るご主人様の表情は安堵の表情でした。
「コンバットタイム! 俺は山札を1枚捨て場に送り、ダウナーな音楽家でブラックドックを攻撃!」
「それはこれで止めさせて貰いましょう。 コストを4つ支払い、インタラプトカード『実践訓練』を発動。 これにより、あなたはそのモンスター以外での攻撃が出来なくなります。」
「だけどこのモンスターの戦闘はあるよな? ブラックドックとの戦闘は継続だ!」
音楽家さんは何かの旋律を奏でると、犬さんは怯えたように消えていってしまいました。 そして警官さんのライフコアの数字が減ります。
「攻撃を減らしただけの意味はあるようだな。 クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
そうしてご主人様のターンが終わりました。 いつも私は傍観側でご主人様わ見てきていたので、ここまでの緊張を持ったご主人様を見るのは初めてでした。 でもご主人様のために、私も出来る限りのお手伝いはいたします!
現状
警官 ライフコア 90
ドライブパンダ
ブラックドッグ
フクラー ライフコア92
ばらまきゴブリン
磨かれた街
セイジ ライフコア99
ダウナーな音楽家
エイリアン・イン・ザ・マン
アリフレア ライフコア100
案内妖精
フレイムフェアリー
アクアフェアリー
ブリーズフェアリー
香るお花畑




