盛り上がりどころ
前回に引き続き、ゼルダの視点です
「プラポレーションタイム! 俺はコストを20支払い、奇怪人ダーティピエロを召喚!」
現れたのは黒のシルクハットに黒のスーツを身に纏った、ピエロの仮面を着けた男だった。 ピエロっていうくらいだから、昔に見た喜劇のような感じなのかなって思ったけれど、今回のは違うみたい。 ボクでもあんなピエロとは遭遇したくないもの。
「ダーティピエロの召喚時効果! パンチアとピームに対して、ダイスを振る。 そしてその出目によって効果を変更する! まずはパンチア!」
そう言ってダイスが振られて、出てきた目は「1」。 そのままピームに代わり、出目は「6」となった。
「出目の効果によりパンチアのステータスは攻撃力5 体力10に変更、ピームの攻撃はこのモンスターのみとさせてもらう! まあ、その効果も、倒されてしまっては意味が無くなるけどな。」
セージさん、完全に悪役になりきってる。 それにこちらは普通に戦闘が出来るので、あっても無くても見たいな部分が出てきてしまった。 多分コストが高いモンスターとなら効果は強くなったんだろうなって考えちゃう。
「コンバットタイム! ダーティピエロでパンチアに攻撃! さっきよりは体力が多くなったけれど、ダーティピエロには関係無い!」
ダーティピエロの持っている杖が思いっきり伸びて、パンチアの腹部に直撃、そのまま消滅していった。 相手のライフコアも「77」といいダメージを叩き出した。
「うう、やりましたね!? でも姉が倒れても、妹が駆けつけてくれるんですよ! 来て! ピンチア!」
『モンスター:ヒーローガール ピンチア レアリティ 紫 コスト6
種族「戦隊」
自分の捨て場に「ヒーローガール パンチア」が存在する時、このカードが戦闘で破壊された時、捨て場の「ヒーローガール パンチア」をフィールドに召喚する。 ただしこの効果で召喚された「ヒーローガール パンチア」はステータスが半分になる。
ATK 9 HP 16』
先程倒されたパンチアとほぼそっくりの少女が現れる。 姉妹という設定なんだ。
「ハッキングバグはピームを攻撃! 体力を減らしておくに越したことはない!」
ハッキングバグはピームに張り付いて、足を突き刺してから、フィールドに戻ってくる。 体力は残っているので、ピームは倒される事はない。
「ふふん。 中々に面白くなってきた所だが、あんたはこの「整合判定空間」を壊さなければ、強い味方は出せないだろう? さぁ、もっと足掻いて見せろ! ヒーローガール! クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える!」
どうしよう。 セージさんが完全に役になりきりすぎて、本当のショーみたいになってきてる。 それのお陰か、さっきまでは全く見向きもしていなかった人や、この光景を興味本意で見ている人でいっぱいになってる。 魅せる力ってここまでスゴいんだと感心するボクだった。 でもまだ終わった訳じゃない。 これからどうなるのか、これからが大変になりそうだよ。
「あの空間をなんとかしないと・・・ 私のオープニング、そしてドロー! ・・・! このカードは・・・! ・・・プラポレーションタイム。」
ヒーローガールの方が起死回生のカードを引いたようで、カードに想いを籠めるように握られている。 そして目を見開いた。
「私はコストを14支払い、魔法カード「失ってでも帰るために」発動!」
『魔法カード:失ってでも帰るために レアリティ 銀 コスト14
自分フィールドの「戦隊」モンスターを捨て場に送ることで、現在展開されている領域カードを全て破壊する。 このカードを使用した後のターン、互いにコンバットタイムを行えない。』
「これで捨て場に送るのは「ヒーローガール ピーム」。 あなたの頑張り、無駄にはしないわ!」
ヒーローガール ピームは杖の先に物凄い力を溜めた後に、どでかい光を放った。 そしてその光が消えた後は・・・自分達以外にはなにも残っていなかった。 ピームは役割を終えたかのように力無く倒れ、そのまま消滅していった。
「・・・ヒーローガールの仲間に対する覚悟・・・か。 俺も、少し甘く見ていたかもしれないな。 いいだろう。 全力なら、全力でぶつかることを、改めて宣言しよう!」
「・・・このコンバットタイム、そしてあなたの次のコンバットタイムは、攻撃が行えない。 クールタイムに入り、私はエンディングを迎えるわ。」
「悲しみも強さの象徴だ。 誇ってもいい。 だがそれで準備を怠る俺ではない! 俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム! 俺はコストを8支払い、「強襲竜」を召喚! クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「私のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム。 コストを5支払い「ヒーローガール アーチェ」を召喚!」
『モンスター:ヒーローガール アーチェ レアリティ 紫 コスト5
種族「戦隊」
「戦闘時」このカード以外のモンスターが戦闘を行うとき、攻撃対象となった相手モンスターの体力を3減らす
ATK 7 HP 8』
あの弓を持ったヒーローガール、戦闘を仕掛ける前にダメージを与える効果があるみたい。
「コンバットタイム! ピンチアでハッキングバグを攻撃! そしてアーチェの効果で、ハッキングバグに3ダメージ。 これでハッキングバグの破壊時効果の対象はいないわ。」
上手い。 確かにあのまま行けばハッキングバグがピンチアに取りついていたけれど、先にハッキングバグを破壊することによって、「戦闘破壊」を免れ、ハッキングバグの効果は拠り所が無くなる。 それに相手モンスターが効果によっていなくなったので、攻撃対象を再度選び直せる。 これを狙っていたのね。
「ピンチアで強襲竜を攻撃!」
ピンチアは強襲竜に飛び込む。 そしてそれと同時にアーチェの矢も飛んでいった。
「中々の連携攻撃だが、こいつを破壊されるわけにはいかないのでな! 俺はライフコアを7つ支払い、インタラプトカード「ツギハギの折り畳み盾」を発動し、ピンチアの攻撃を防ぐ! 更にライフコアを3つ支払うことで、このカードは手札に戻る!」
セージさんお得意の「ツギハギの折り畳み盾」でピンチアの攻撃を防いだ。 これで次の相手のコンバットタイムの時も使えるようになった。
「ならばアーチェで強襲竜をとりあえず攻撃するわ!」
アーチェの弓が強襲竜に当たるが、鱗が邪魔でちゃんと攻撃が通ったか分からない。
「クールタイムに入り、私はエンディングを迎えるわ。」
「俺のオープニング、そしてドロー! ・・・ふっ。 ヒーローガール達の力と絆は偉大だ。 こちらとしてもかなり危うくなりそうだ。 だから彼に頼ることとしよう。 プラポレーションタイム!」
ここのタイミングでセージさんは何を引いたのだろうか。 そして今やこのショーを見逃すまいと子供から大人まで釘付けになっていた。
「俺はコストを18支払い、「怪盗ハンドスティール」を召喚!」
それに呼応するように白のタキシードに身を包んだマスクの男性が現れる。 セージさんのエースカードの1枚だ。
「スティールの効果! 相手の手札からランダムに選び、コストを倍支払うことで召喚、もしくは効果を使用できる。 見てこいスティール!」
そう言ってヒーローガールからカードを奪ってくる。 奪うといっても本当に奪うのではなく、エフェクト的に取ってきた、といった方が早いかな? そして取ってきたカードを確認するセージさん。
「なるほど、これなら十二分に力を発揮できるぞ。 俺はコストを14支払い、「ヒーローガール ソルディ」を召喚!」
『モンスター:ヒーローガール ソルディ レアリティ 紫 コスト7
種族 「戦隊」
このモンスターに装備カードが装備されるとき、このカードの攻撃力を+6あげる。
ATK 9 HP 15』
戦隊の中では珍しい、服装は戦隊服を着ているのに、顔は出しているスタイルになっていた。 剣を構えながら敵対していた。 ソルディはチラリとスティールを見ていた。 これはもしかして、スティールに心を奪われているのかな? モンスター同士でもそういうのってあるのかな?
「更にコストを6支払い、ソルディに「発射装置付きレイピア」を装備させる! そしてコンバットタイム! 強襲竜でアーチェを攻撃!」
強襲竜が先程の攻撃に怒っていたのか、すぐにとんでいく。 そしてアーチェを攻撃をしていって、アーチェを倒す。
「続いてダーティピエロでピンチアを攻撃!」
ダーティピエロも続くようにピンチアに攻撃をしていった。
「ピンチアの効果! 捨て場にあるパンチアを、ステータスを半分にして召喚する!」
先程倒された姉であるパンチアが再び戻ってくる。 だけれど、攻撃を回復しきれていないのか、ボロボロのままになっていた。
「まだまだ! スティールでパンチアを攻撃!」
スティールがパンチアに近付くと、そのままなにかを囁いた後に、マントを羽織らせ、そして消滅していった。
「さあ、これで最後だ。 最後らしく、ヒーローガールで止めを刺してやろう。 行け! ソルディ!」
そうして最後のソルディが攻撃を行うために突撃をしていく。 心苦しそうにしているセージさんの顔も見受けられるけれど、戦いなので仕方がないと割りきっているようだ。 ヒーローがやられるのはショーとしてはどうなのだろうかと思うけれど、これはこれで学びがある・・・
「まだやられるわけにはいかない! 私はコストを18支払って、この一撃で全てを変える! インタラプトカード「英雄の心は砕けない」を発動する!」
『魔法カード(インタラプト):英雄の心は砕けない レアリティ 金 コスト18
ライフコアに直接攻撃される時に発動する。 手札のカードを1枚捨て場に送ることで、ライフコアへの直接攻撃を無効にし、相手モンスターの全ての攻撃力を相手のライフコアに与える。 更に相手はクールタイムに入るタイミングでのライフコアの返還が行われなくなる。』
「なっ!? 全ての攻撃力をだと!?」
「そう、あなたのフィールドにいるソルディは確かにあなたのモンスターにときめいてしまったでしょう。 でもね、やっぱりヒーローの心は、忘れてなんかいなかったのよ!」
ソルディが攻撃を止め、今度はセージさんのライフコアに突撃をしていく。 この効果はインタラプトカードによるもの。 ツギハギの折り畳み盾は使えないので、ライフコアに全攻撃力が当たる。 そしてセージさんのライフコアは「0」になった。
「さぁ、これでエンディングを迎えればあなたの敗北よ!」
「確かにそうかもしれない・・・だけどまだコンバットタイムは終了しない! 俺は最後に、「発射装置付きレイピア」の効果を発動する!」
『装備カード:発射装置付きレイピア レアリティ 紫 コスト6
次のコンバットタイム時、装備しているモンスターの戦闘を行えない代わりに、相手ライフコアに装備モンスターの攻撃力分のダメージを与える。』
レイピアがヒーローガールのライフコアに向いた後に、「パシュ」という音と共に、剣先が飛び出してヒーローガールのライフコアを砕いた。
「倒れるならば・・・死なばもろとも・・・だ・・・クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える・・・これで終幕だ。」
ショーが終わると、ボク達の後ろにいた観客が一斉に声をあげた。
「これは・・・」
「ふっ。 今回は引き分けだったけれど、あんたの強さを皆が認めてくれたんだよ。 まさかあの場面で相討ちカードを出してくるとは夢にも思わなかったぜ。」
「・・・あなたが戦ってくれたおかげよ。 こっちこそお礼を言わなきゃ。 ありがとう。」
そう言い合いながら、2人はショーという舞台上で、握手を交わしていたのだった。
今回はちょっとヒーローショー風に話を進めたのですがいかがだったでしょうか?
作者はヒーローショーをほとんど見たことはないですが、なんとなくの雰囲気で書いてます




