女王
自分のモンスターを奪われているとはいえ、今は情に構っている場合ではない。 試合としてはやるしかないので、手札を確認しつつ、作戦を練る。
まず歴戦の狩人て攻撃してこなかったのを考えると、ウエスタンヒーローについている、「ニードルキッズ」を出すための材料があるから、敢えて残しているのだろう。 俺の考えではニードルキッズはカードとしてデッキに残らないタイプのカードだろう。 「バンブーナイト」のように、残って発揮するタイプではなさそうだ。
しかし戦力的にはあちらの方が圧倒的有利ではある。 歴戦の狩人を盾代わりにするならば、一撃で葬るしかない。
「俺はコストを9支払い、「エクステンドガーディアン」を召喚。」
エクステンドガーディアンは前回出した時はステータスを半分にされていたが、今回はフルで使える。 だが攻撃力は足りていない。 それも分かっているので、次のモンスターを出すことにする。
「俺はコストを10支払い、「キッキングホークス」を召喚!」
召喚したキッキングホークスを見るのも大分久しぶりだが、こうしてみると雄々しいものだ。 向こうが攻撃してこようがしてこまいが、守備の準備は万端だ。 このまま畳み掛けさせてもらう。
「コンバットタイム! キッキングホークス! 歴戦の狩人の目を覚まさせろ!」
その宣言の後に、キッキングホークスは宙を舞い、そのままキックで急降下。 ダメージは入らないがこれで・・・
「俺はコストを10支払い、インタラプトカード「エッグシェルター」発動!」
『魔法カード(インタラプト):エッグシェルター レアリティ 銅 コスト10
相手モンスターの攻撃時、相手のコンバットタイムを終了させ、その後自分フィールドに「卵の壁 「召喚時」 このカードの攻撃力、体力は相手のモンスターの数×2となる。」を相手フィールドのモンスターの数、召喚する。』
「フェロモンフォレストの効果で本来なら攻撃を仕掛けなければならないが、コンバットタイム自体を終了させればその効果は発揮されない。 よって卵の壁は数を減らすことはない!」
効果を効果で塗りつぶした形か。 矛盾する効果の重複は
キッキングホークスの攻撃は歴戦の狩人に当たらず、その前の地面を抉るだけで終わり、いくつもの連なった昆虫の卵が歴戦の狩人の周りを囲っていた。
それだけならまだ良かったのだが、コンバットタイムを終了されてしまっては次の手だてがない。 改めて考え直す必要があるかもしれない。
「クールタイムに入り、俺はコストを11支払い、魔法カード「リカバリードロー」発動。 プラポレーションタイムに使用したのは召喚したモンスター2枚分。 よって2枚ドローする!」
俺はカードを山札から引く。 来たのは「ドリルクロウ」と「発射装置付きレイピア」。 これでは少々心もとないが、来た以上はなにかに役立てなければ。
「そして俺はエンディングを迎える。」
「自分のモンスターを破壊できなくて残念だったな。 ははは。 俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム。」
警官は笑っては居るもののどこまで自分の思いどおりに動いているのか分からない。 まだ俺のライフコアは「89」、余裕があるが、奴がなにを仕掛けてくるか分からない以上は、下手に手を出せるわけでもない。
「・・・くっくっくっ。 どうやら今回は早くに決着になりそうだなぁ。」
警官らしからぬ悪顔になっている。 いや、反勢力だったことも要因だろうか。
「俺はコストを24支払い、「ビックビークイーン」を召喚!」
『モンスター:ビックビークイーン レアリティ 金 コスト24
種族 昆虫族
「召喚時」自分フィールド上のモンスター全ての攻撃力の合計を上乗せする。
このカード以外のコンバットタイムでの攻撃を行えない。
相手がプラポレーションタイムにモンスターを召喚した時、その攻撃力の半分をこのカードに上乗せする。
1ターンに1度自分フィールドのモンスターを捨て場に送ることで、相手モンスターの効果を無効化する。
ATK 5 HP 60』
現れたのは女王蜂。 しかもかなりの大きさの、だ。 そして下にいるモンスターを針で突き刺し、栄養としているようだ。 え、えぐい・・・ これでビックビークイーンの攻撃力は6×3+15で33の上昇、それで38。
「ビックビークイーンでキッキングホークスに攻撃!」
「キッキングホークスの効果! 1ターンに1度、次のコンバットタイム時に攻撃出来ない代わりに、相手モンスターの攻撃を無効化する!」
「甘い! 効果をよく読んでいなかったのか! 俺は卵の壁1体を捨て場に送り、相手モンスター、キッキングホークスの効果を無効にする!」
卵が崩れた瞬間に、様々な虫がキッキングホークスに纏わりついた。 精神的にもクるものをやって来やがる!
「その鳥は終わりだ!」
キッキングホークスに針が向けられる。 だが攻撃はキッキングホークスに届かない。 何故ならば
「何!? なぜそのモンスターが!?」
キッキングホークスへ狙いを定めた針は、エクステンドガーディアンの体で受け止められていた。
「あんたこそ早とちりしすぎだぜ? エクステンドガーディアンの効果により、自分フィールドのモンスターが攻撃される時、その対象をこのモンスターに変更できる! 一回限りだったのが仇となったな!」
攻撃力が38ならギリギリでエクステンドガーディアンの範囲内。 だけどもうこの方法は使えない。 いや、使えはするのだが、次の一撃でエクステンドガーディアンは確実に落ちる。 それを避ける方法は俺には持ち合わせていない。 1回守れただけでも素晴らしい功績だ。 まだ倒されていないだけに、お前を失うのは寂しくなるな。
「けっ! こっちだってただ闇雲に捨てたんじゃねぇ! クールタイムに入り俺はエンディングを迎える。 その瞬間、ニードルキッズがウエスタンヒーローの腕から孵化し、俺のフィールドに入ってくる。」
それが狙いか。 ウエスタンヒーローの腕についていた膿からニードルキッズが飛び出し、相手フィールドに着地した。 つまり2ターン毎にニードルキッズが増えるので、ある意味無限供給と言えなくないわけだ。 面倒な効果だ。
「俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム!」
ここでビックビークイーンを倒すためのモンスターを出したところであまり意味はないな。 手札にはドリルクロウが来ているがビックビークイーンの効果を考えれば、こいつは温存しておきたい。 だがなにもしないわけにもいかない。 そこでこのカードの出番だ。
「俺はコストを10支払い、「ウィークリーポイント」を使う! 対象をエクステンドガーディアンに使用。 コンバットタイム! エクステンドガーディアンでビックビークイーンを攻撃!」
これが通れば相手の攻撃は一気になし崩される、が
「フェロモンフォレストの効果により、対象は卵の壁とする。」
そうなるよな。 しかもダメージが入らない状態なので、いくら体力が低かろうが関係無いのだ。
「ならばキッキングホークスで歴戦の狩人を攻撃!」
「んー。 それはビックビークイーンで止めるぜ?」
キッキングホークスの蹴りが女王の腹に止められる。 ちっ、これじゃあ意味がねぇ。 だが攻撃の手を止める訳じゃねぇ。
「ウエスタンヒーロー! 卵の壁に攻撃だ。」
ウエスタンヒーローは狙いを定め、コイントスが行われた。 出たのは「表」攻撃力は高くはないが、卵の壁を破壊・・・
「それは歴戦の狩人へ。」
とはいかずに歴戦の狩人にぶつかる。 分かってはいたことだが、簡単には潰させてはくれないか。
仕方ない、ここは何とかしないといけないな。 ライフコアを削ることになろうが関係無い、どれでもいいからビックビークイーンを倒すのが先決だ。 どれだけ犠牲を払うか分からない。 だがそれゆえにあいつを越えなければ攻略なんか出来ない。 あの女王蜂がいなければ相手はもはや意気消沈の感覚になるだろう。 無理にでも奴を倒す手段を考えなければ。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム「入り、そのままコンバットタイム! エクステンドガーディアンに攻撃! そして卵の壁を使って、ビックビークイーンの効果を使い、キッキングホークスの効果を無効にする! これでエクステンドガーディアンは終わりだ!」
針がエクステンドガーディアンの胸を貫き、そのまま粉砕された。 これで俺のライフコアにもダメージが入り、「53」まで一気に減らされた。 これ以上の長期戦は、俺の首を絞めかねない。 まだ作られた引きの条件を満たしていない。 なんとかしなければ・・・
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
ちっ! 考える暇も無いってか。 辛いがやるしかねぇ。
「俺のオープニング、そしてドロー!」
現状
警官 ライフコア 54
ビックビークイーン
歴戦の狩人
エッグシェルター
ニードルキッズ
清司 ライフコア 53
ウエスタンヒーロー
キッキングホークス




