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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第一の章 今の世界を知る
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領主からの提案

「プラポレーションタイム。 俺っちはコストを9支払いWs(ウィンドシューター) アーサルディを召喚するっす!」


『モンスター:Ws(ウィンドシューター) アーサルディ レアリティ 桃 コスト9

 種族 鳥獣族

「破壊時」このカードが戦闘、及び効果で破壊される場合、捨て場には送られず、自分の場のWs(ウィンドシューター)モンスターの装備カードとなり、攻撃力を6上昇させ、体力を3減少させる。

 ATK 12 HP 4』


 また新たなWs(ウィンドシューター)モンスター。 しかも破壊時効果で装備カード扱いになるのか。 奴を倒すときは、慎重にいかないとな。 しかしさっきの言葉は撤回しないとな。 十分に強いモンスターがいたじゃないか。


「コンバットタイム! アーサルディで救われし少女に攻撃するっす!」

 アーサルディは銃を構え、少女に向けて銃口を向ける。 だがこちらとてやられるばかりではない。 こっちにだって手はある。


「「救われし少女」の効果により、このカードよりとコストの低いカードのコストを3つ減らす。」


 つまり8以下ならば、3つ減らせれる。 そのコンボはこのカードには絶大だ。


「俺はライフコアを4つ支払い、インタラプトカード・・・」

「おっと、そうはいかないっすよ! 俺っちはコストを11支払って、インタラプトカード「マガジンボム」を発動するっす!」


『魔法カード(インタラプト):マガジンボム レアリティ 銅 コスト11

「相手のインタラプト宣言時」自分フィールドのモンスター1体を捨て場に送ることで、相手のインタラプトカードを無効にし、破壊する。 この時支払われたライフコアは元に戻る。』


「俺っちはソニックバレットを捨て場に送り、このカードを使用するっす!」

「なんだと!?」


 俺が使う筈だったツギハギの折り畳み盾が現れ、広がろうとしている時、ソニックバレットが持っている小型銃を折り畳み盾に投げつけられ、開ききる前に銃が爆発し、折り畳み盾が壊れる。 その後にアーサルディが少女に弾丸を撃ち込んだ。 その倒れると同時にライフコアにも影響し、ライフコアが「88」となった。


 インタラプトカードに対するインタラプトカードだって? そんなカードが存在するのか。 これは・・・本当に・・・


「面白いことになってきたぜ・・・」


 自分の顔が恐ろしい顔になっているだろうと思うくらい、顔が笑っていた。 それほどに楽しめている気がするんだよな。 アリフレアやゼルダは俺に対してあんまり本気をぶつけてこない。 ベルジアはまだ戦っていないので分からない。 だがこれが本当の戦い。 カードゲームを通じて、それぞれの思いが交差するこの戦場を、俺は本当に楽しんでいる気がする。


「更にスリングスで直接攻撃!」


 そしてスリングスの攻撃も食らう。 中々に痛く感じるのも楽しくなってくる。


「クールタイムに入り、俺っちはエンディングを迎えるっす。」


 これで相手も終わる。 ライフコアは「93」、まだまだこれからだろう。


「俺のオープニング、そしてドロー!」


 手札を確認する。 うん。 これなら盤面は覆せるな。


「プラポレーションタイム。 俺はコストを10支払い、キッキングホークスを召喚! 更にコストを7支払い、不死の傭兵を召喚。 更にコストを12支払い、インファイトラミアを召喚!」


 これで俺のフィールドには合計3体、かなりライフコアを削ったが、これで染み渡った晴天の効果で攻撃力をあげつつ、戦闘では破壊されなくなった。 まあ不死の傭兵に関しては元々同じ能力を持っているから、ちょっと有り余るんだけどな。


「コンバットタイム! 行け! 不死の傭兵! スリングスに攻撃!」


 スリングスは不死の傭兵の不気味さに身動きが取れず、そのまま両断された。 体力的には低いので、これだけでも儲けものだ。


「インファイトラミアよ! アーサルディを食らいつくせ!」


 インファイトラミアは相手の懐に飛び込んだ後、その尻尾を巻き付けて、頭から丸呑みしてしまった。 鳥が蛇に食われた。


「インファイトラミアの効果! 破壊したモンスターの攻撃力の半分を自分の攻撃力に加える! 更にフィールドにWs(ウィンドシューター)がいないので、アーサルディの効果は発動しない! そしてキッキングホークスでライフコアに攻撃!」


 キッキングホークスはそのしなやかなジャンプからの飛び蹴りをライフコアに当てた。 これで相手はかなり減ったことになる。


「クールタイムに入り、俺は・・・」

「あー、俺っちはこの舞台を降りるっすよ。」


 その言葉の意味、それは相手が投了をしたのだ。 AI領域が消えて、またドア越しに会話をすることになった。


「なぜあそこで止めた? まだあの場面なら負けないように動くことは出来ただろ?」

「俺っちはあんたのことを、信用に値するかを見ていたっす。 でもあんたはこの戦いに対して、勝ち負けよりも、楽しそうにしていたっす。 その時に思ったんす。 この人はただカードバトルをしているのではない。 俺っちからなにかを引き出そうとしているのだと。 そしてなにより俺っちもこんなにも楽しくやれるのは久しぶりだったからっす。 さっきは半分も信用してないって言ったっすが、何故だかあんたが話す話は本当のように思えたっす。」


 それだけの信頼を得れたって事か。 それならこちらとしても話しやすい。


「じゃあ、領主からの話、聞いてくれるんだな?」

「うっす。」

「・・・今まで領主のイクシリアさんは、お前の肩身を重んじていた。 お前が子供達に教えている行為も、未来に生きるためだともな。 その事について悔やんでいたよ。」

「・・・本当にあの人は優しいっすね。 あの人のお父様も、そんな人だったっす。」

「だが当然、盗人は他の世界でやったら問答無用で捕まる。 それ以上は養護出来ないとも言っていた。 だからイクシリアさんは、一度子供達の学びの場を作るつもりでいるようだ。」

「それは良いことっす。 学びから得られることは多いっすから。」

「それでお前はお役御免のような形になるんだけど・・・ここ以外の行き先なんか無いだろ?」

「亜人の国があるって聞いたことはあるっすが、行ける気がしないっす。」


 実際に亜人の国はあるのだが、恐らく場所も分からないので、放浪する可能性は否定できない。 ましてやファルケンは亜人。 国を間違えればお陀仏だ。


「その事でお前の処遇についての提案でな。 俺の仲間が「俺達の旅路に連れていけば良い」って言ってな。」

「・・・その人も物好きっすね。 聞いたんでしょ? 俺っちが亜人だってことは。」

「まあ話を最後まで聞いてくれよ。 その事で俺とイクシリアさんは互いに了承を得た。 後はお前の判断に委ねる形になってる。 俺としてはこの案は中々に良い案だと思うんだがな。」


 ドア越しで相手の表情も分からないし、なんだったら黙ってしまっている。 恐らくは考えているのだと俺は推測した。


「今すぐ決めてくれって話じゃないから、大いに悩んでくれて構わないぜ。 俺は仲間と共にこの街に2、3日は留まる。 自分の意見が決まったら、俺かイクシリアさんの所に言って、どうするか伝えな。 俺はこれで帰るぜ。」

「待つっす。」


 そうファルケンに呼び止められる。 まだなにか話すことあったっけ?


「俺っちの顔は見ていかないんすか? 俺っちはあんたの事を信用した。 あんたにならこの姿を見せても良いと思ってるんすけど。」


 そんな提案か。 確かにどの辺りまでの鳥人なのかは知りたい気持ちはいっぱいだ。 だけど、


「無理して見せる必要はないし、ましてやこの提案にお前が乗らなかった時の事を考えれば、見ることもあんまり無いだろうなって思ってな。 興味がない訳じゃないが、それは個人の問題だ。 気遣いだけ受け取っておくぜ。」


 気遣いではなく、本当に見せても平気なのだろうと思っているのだろうが、そんな中で拒絶反応をされて傷つくのはファルケンの方だ。 だから俺はファルケンの意見を聞くまでは見ないと決めた。 だが、あいつの多少の心配は解消させておこう。


「そうそう。 さっき言った連れていけば良いって言った仲間の事なんだけどな。 種族は違えどお前と同じ、亜人なんだぜ。」

「え?」

「亜人同士、上手くやっていけるかもな。 じゃあな。」


 そうして俺は階段へと続くドアを開け、地上に戻ることにした。



「む、戻ってきたな。 どうだった? ファルケンの様子は?」

「普通に優しそうな奴だったぜ? 対面はしてないけどな。」

「顔を見てこなかったの?」

「あんだけ隠れながら過ごしてた奴だし、俺の事も、最初は信用してなかったしな。 無理やり見ることもないだろと思って、最後まで見てきてないよ。」

「お優しいですね。 ご主人様。」


 三者三様にそれぞれの意見があった。 あそこまで話したのだから、後はファルケン本人次第だ。 来るも良し、来ずとも無理矢理引き入れない。 俺はそんなスタンスで行こうと思っている。 しかし今日は疲れてしまったので、先に部屋に行くと言って、俺はそのままベッドの中で、深い眠りについたのだった。

ファルケンのデッキはモンスター名がWsと固定をしていこうと思っています。


イメージとしては二足で立っている鳥が銃を持っているような感じです。

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