表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第一の章 今の世界を知る
41/262

苦戦の末

「ボクのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 引いたカードに起死回生の手はあるのか。 果たして・・・


「ボクはコストを4つ支払って、魔法カード「振り払い」を発動。」


『魔法カード:振り払い レアリティ 水色 コスト4

 フィールドに存在する装備カードを1枚破壊する。』


 魔法カードの効果により、最強の武器の使い手の手にあった剣が消えていく。 だがその先は手の内ようが無さそうだ。


「あの最後の1枚は、使わないのか? あれも使えれば・・・」

「使わない、じゃなくて、使えない?」


 確かにゼルダの手元にはまだカードがある。 だがコストを払わない、払えないカードとなるとかなり限られる。 この現状を考えれば何かしら出来るとは思うが、それが出来ないとなると・・・


「コンバットタイム。 ボクはトルネルドで最強の武器の使い手を攻撃する。」

「よし! 相手は手札を持っていない! インタラプトカードの心配もなく、あの厄介なカードを破壊できる!」


 ベルジアがそうガッツポーズで言ってくる。 確かに最強の武器の使い手の効果も今はないので、このままトルネルドの攻撃が通れば、まだ可能性は見えてくる。 となると残る不安要素は相手の「スキル」次第だが・・・


「スキル発動! モンスターウェポン! 俺は最強の武器の使い手に! デスブーメランを装備させるぜ!」


『モンスターウェポン

 自分フィールドのモンスター1体を、同じフィールドにいるモンスターに装備する。 装備されたモンスターは、装備モンスターのステータスを上乗せする。』


 デスブーメランはそのままのブーメランの形となり、最強の武器の使い手の手元に入る。 そしてトルネルドの攻撃を防いだ。


「最強の武器の使い手の効果により! デスブーメランを捨て場に送ることで、破壊を無効! こいつは死なせないぜぇ。 はっはっはっはっはっー!」


 最強の武器の使い手を破壊できなかった上に、ダメージも抑え込まれてしまった。 ライフコアは「26」。 ギリギリセーフティラインに入っていない。 なのでまだヤツにはライフコアでのコストの補いも出来るというわけだ。 手札が無いとはいえ、ここまで攻撃を凌がれるとは。


「敵ながらに天晴れってやつだな。」

「感心をしている場合か!? このままではゼルダは一方的にやられてしまうぞ!?」


 確かにピンチなのには変わり無い。 後は相手のカードの引き頼りになる。 果たしてどうなるか。


「・・・クールタイムに入り、ボクはエンディングを迎えるよ。」


 流石に立場が危うくなってきたのか、ゼルダからも余裕は無くなってきていた。


「俺のオープニング! そしてドロー! プラポレーションタイム! 俺は最強の武器の使い手の効果で、「鋭き刀」を装備! コンバットタイム! トルネルドを今度こそ破壊しろ!」


 最強の武器の使い手はその重装備に似合わない速度で近付き、トルネルドを下から切り上げた。


「うわっ! いたたっ!」


 ゼルダのライフコアが減っていく。 これでゼルダのライフコアは「23」相手よりも先にライフコアのセーフティラインを越えてしまった。 これで補充コアの個数は増えるが、ライフコアでの補填が出来なくなってしまった。 本格的にまずい状況だ。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 いやぁ、楽しみだぜぇ。 その肢体を弄べると思うとよぉ。」


 スキンヘッドはゼルダの身体を舐め回すように見ている。 その目は下卑たる目だった。


「・・・ボク、これでもまだ()()()身体なんだよね。 あんまりキズはつけたくないんだけれどなぁ。」

「なぁに、優しく手解きはしてやるよ。 ()()なぁ。」


 その言葉にゼルダは自分で抱いていた身体が「ピクリ」と動いた。 だがそれよりも俺はやつに対し怒りを隠しきれずにいた。 いや、俺だけじゃない。 ベルジアもまた、会って1日も経っていないゼルダを奪われ、あまつさえあいつらの好き勝手される事を怒っているし、アリフレアも俺の後ろからスキンヘッドを睨み付けている。


「ま、安心しなって。 俺が一言いやぁ、あいつらだって言うことは聞く。 「乱暴に扱うな」と言えば丁寧に扱ってくれるだろうぜ? ま、それでもあいつらの誰かの()()が産まれちまったら、それは知らないけどな。」


 ぎゃはははと笑うスキンヘッドに対し、ゼルダは一つ、深くため息をついた。


「・・・ボクはね、「なるようになるしかない」とか、「責任は取らない」って言葉が本当に嫌いなんだ。 両親が言っていたんだ。 「本当に信頼できる人は言葉の底から責任を持っている」って。 だから、君達のものには行きたくない。 使われて使われて、ボロ雑巾のように捨てられるのは真っ平ゴメンだよ。」

「はっはっはっ。 その状況でどうやってこの場面を覆す気だ? 諦めて俺らのものになりなよ。」

「・・・それにこの身体を()()()()()もう決めているんだ。 どれだけ待たされても構わない。 だから、ここで負けるわけにはいかない! ボクのオープニング、そしてドロー!」


 その瞬間、ゼルダの捨て場から黄色に輝く光が漏れだした。


「あれは・・・」

「もしかして・・・」


 ゼルダの想いが、デッキに、なにより自分自身に届いたんだ。 そしてそれこそが、ゼルダのスキルを発現させたんだ。


「このスキルは・・・そっか。 みんなボクの為に、戦ってくれるんだね・・・ それならいくよ、みんな!」


 そういいながらゼルダは自分の捨て場に手をかざした。


「ボクはスキル「夜明けの行進曲(デイブレイクマルシュ)」を使うよ!」


夜明けの行進曲(デイブレイクマルシュ)

 自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドにのみモンスターが存在する時、発動できる。 ライフコアを15支払う事で、自分の手札と捨て場にある「獣族」モンスターを、コストを支払わず、可能な限り召喚する。』

「戻ってくるんだ。 ボクの、モンスター達!」


 そうして現れた先程までゼルダと一緒に戦っていたモンスター達が次々と現れた。


 ウリオーク、ホッパー・ザ・ヘッジホッグ、グリーンシープ。 そしてそれらのモンスターを覆うように大きく現れた、茶色い毛並みの象。 今まで出したモンスターの中でそんなモンスター・・・と思った時ふと思い出す。 ゼルダは「野生の勘」のコストとして「獣族」のモンスターを使っていた。 そのモンスターがあの象なのかもしれない。


「ご主人様! 大きい、象さんです! 初めてみました!」


 アリフレアが俺の後ろから興奮気味で裾を引っ張ってくる。 この子は本格的に動物大好きっ子になってるかもしれない。 別にいいけれど。


『モンスター:エレファントガイア レアリティ 銀 コスト17

 種族 獣族

 このカードが存在する限り、相手モンスターはこのカード以外のモンスターを効果対象に選べない。

「戦闘時」このカードは自分フィールドの「獣族」の数だけ攻撃が出来る。

 ATK 10 HP 30』


「なに!? 獣族の数!? それじゃあそいつは・・・いや、そいつらは・・・」


 先程捨てた理由が理解出来た。 効果と攻撃力の割が合わないのだ。 だがこの盤面なら力はかなり大きくなる。 しかも他のモンスターの効果も含めるとかなりの攻撃回数になる。 いくら最強の武器の使い手の効果があれど、一回しか守れないのならば意味はない。 しかもサンライトジャングルの効果も相まって、かなりの攻撃になる。 これがゼルダのスキルを使った戦略の全力なのだ。


「ま、待て! お、俺は舞台を降りる! 俺達が集めたものだってやる! だから・・・」

「それでボクが認めちゃったら、「さっきのは無効だ、もう一回勝負だ」ってなると思うんだよね。 だからここで、きっちりとしよう。 大丈夫、君達は死にはしないから、ね?」


 そう笑顔で語るゼルダ。 ま、その判断は間違っていない。 やるからには徹底的にやっておいた方が後腐れ無く終えることは出来るだろうからな。


「ボクはウリオーク、グリーンシープでそのモンスターの効果を使用して貰うよ。」


 ウリオークとグリーンシープはそう命令されて突進をしていく。 これは流石にやらざるを得ないだろう。


「ううっ! 最強の武器の使い手の効果! 装備カードを捨て場に送ることで、破壊を免れる!」

「さぁ、ここからが獣の、野生の力だよ。 エレファントガイア! 全てをその巨体で粉砕せよ!」


 エレファントガイアの一歩はとても大きい。 その一歩に最強の武器の使い手と言えど、耐える事が出来ず、踏み抜かれた。 そしてもう一度の攻撃で、ライフコアをも破壊していった。


「クールタイムに入って、ボクはエンディングを迎える。 全ての終幕だ。」


『勝者はリーセルデ・フォン・フランシュシュ。 これにより相手プレイヤー、及びその仲間は、今後彼女達に対する干渉が出来なくなります。』


 AI領域から解放され、俺はゼルダに近付いた。


「良くやったな。 ゼルダ。」

「ありがとう。 セージさん。」


 握手を交わす俺達。 そしてゼルダは「最後にやり残したことがあるから」といって、倒れたスキンヘッドの前に立った。 スキンヘッドは他の仲間に頭を支えられている状態だ。


「と、言うわけだから、ボクは君達のものにはならないし、君達もボク達に干渉出来なくなった。 それでも今後どこかで会った時は・・・」


 そう言って手袋で隠していた自分の()()()()()()()()()()を見せて、


「こっちから君達を()()()行くかもしれないから。」


 そうニコリとゼルダは笑った。 その表情にスキンヘッドは青ざめて、仲間を引き連れて、去っていってしまった。


「・・・ベルジア。 今のスキンヘッドの表情。 お前はどっちの意味だと捉えた?」

「私は自分が狩られる側になることに対する恐怖、といったところだろうか。」

「俺は、人間じゃなかった事に対して、背筋が凍ってたように見えたぜ。」


 どちらにしても亜人に対する認識があまりにも悪い。 ヨセマの領主の様な寛容さは、今のこの世界には、まだ浸透していないのかとゼルダと、駆け寄ったアリフレアを見ながら、寂しさすら感じ、俺達はドーホース達に乗り、イークスへとまた歩を進めたのだった。

ゼルダにもスキルが付きました。


後このメンバーでスキルがないのは、今のところアリフレアだけになりました。


アリフレアのスキルはいつ開花するのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ