表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第一の章 今の世界を知る
36/262

ベルジアの新たな戦術

 制約カードバトルが始まってしまった訳だが、俺からしてみるとこの試合、色々と不自然だったりもする。


 なぜ俺に向けた制約の筈なのにベルジアに制約が回ったのか。 その制約に対して、何故1人しかやらないのか。 その間2人はどうしているのか。


 一つ一つあげてもキリがないので、今はこの試合の行く末を見守ることにしよう。


 お互いにダイスロールを行い、相手は「33」、ベルジアは「54」となり、先攻はベルジアとなる。


「私のオープニング。 そしてドロー。 そしてプラポレーションタイム。」


 俺は一度ベルジアと戦っているので、ある程度の戦略は知っている。 あいつは成長したと言っていたが、果たしてどのように変わったのだろうか。


「私はコストを3支払い、「灰竜(アッシュドラゴ)」を召喚。」

『モンスター:灰竜(アッシュドラゴ) レアリティ 水色 コスト3

 種族 竜族

「破壊時」相手のライフコアに3ダメージを与える。

 ATK 3 HP 2』


 む? 前回までとは違うカードが出てきた。 今までの竜族とは効果が異なる、というよりも、効果持ちの竜族が現れた。


「更に私はコストを6支払い、魔法カード「ブレスオブファイア」を発動。 コストは灰竜(アッシュドラゴ)を使用する。」

『魔法カード:ブレスオブファイア レアリティ 紫 コスト 6

 自分フィールドのモンスターを1体捨て場に送ることで、相手のライフコアに7ダメージを与える。』


 その魔法が発動した時、灰竜は相手のライフコアに突撃し、どこからともなく現れた炎の息吹に飲まれていき、そのままライフコアに直撃した。 これで相手のライフコアは一気に10減ったことになる。


「更に私はコストを5つ支払い、「ボムドラ」を召喚する。」


『モンスター:ボムドラ レアリティ 水色 コスト5

 種族 竜族

「破壊時」互いにライフコアに5ダメージを受ける。

 ATK 6 HP 3』


 またも自分のライフコアも引き換えにしたモンスターが現れる。 この戦術って・・・


「気が付いたか、セイジ。 私は今の今まで、全て自分の力でどうにか出来ると自惚れていた。 だが実際は、領地の民達がいるからこそ、私たちは上にいることが出来るのだと知らされた。 領地の者達の献上が無ければ我々は暮らしていく術がない。 そしてその献上品も、多ければいいというものでもないとも。 セイジ。 貴殿があの城を出た後に父と母にも話したのだ。 「元々平民だった我々を、領主という位に押し上げてくれたのは誰か」。 「我々はもっと力を合わせるべきではないか」。 そう父と母も、改めて思い出し、そして私は井の中の蛙だということを自覚し、貴殿らと共に領地改善の為、旅に出ると誓ったのだ!」


 そう俺に向かっていい放つベルジア。 どうやら俺のあの行動はベルジアの心、いや、その奥の深層心理にまで届いていたようだ。 元々あまり偉そうにはしていなかったのもあってか、ここまで単騎で乗り込むほどに行動をしたのだ。 その辺りは敬意を評したい。


「おい、そっちだけで会話してねぇで、早くエンディング宣言をしろってんだよ。」


 そう敵が言う。 おっと、今はカードバトル中だったな。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」

「俺のオープニング、そしてドロー! プラポレーションタイム。 俺はコストを8支払い、「飢餓狼」を召喚!」


『モンスター:飢餓狼 レアリティ 紫 コスト8

 種族 獣族

「コンバットタイム時」このカードよりもコストの低いモンスターと戦闘破壊した時、そのモンスターの体力をこのカードに上乗せする。

 ATK 9 HP 2』


 相手も中々に強そうなモンスターを出してくる。 立体映像(ソリッドビジョン)のモンスターはかなり痩せ細った狼で、口からよだれが垂れ流しになっている。


「やはりそうか・・・」

「ん? なんか言ったか?」

「更に俺はコストを10支払って、魔法カード「夢の果実」発動! そしてこれを飢餓狼を対象に発動する!」


『魔法カード:夢の果実 レアリティ 桃 コスト10

 このカードの対象になったモンスターはこのコンバットタイム、攻撃力を倍にする。 ただし次のコンバットタイム終了時まで対象のモンスターの攻撃力と体力は半分(端数切り捨て)となる。』


 これで相手のライフコアは「84」となるが、ベルジアのボムドラの攻撃力をはるかに上回っている。 かなりのダメージにはなるだろう。


「コンバットタイム! 飢餓狼! そのモンスターを破壊しろ!」


 このまま行けば大ダメージは免れない。 さあ、どう切り抜ける?


「私はライフコアを5つ支払い、インタラプトカード「剥がれ鱗」発動。」

「魔法カード(インタラプト):剥がれ鱗 レアリティ 紫 コスト5

 相手の攻撃をしてきたモンスターの攻撃力を半分にする。」


 そのカードを使った瞬間、ボムドラから一体その体のどこにあるのか分からない鱗が飛び出し、飢餓狼を()()怯ませた。 だがその後は再び攻撃を仕掛けてくる。 そしてボムドラは破壊されるがベルジアのライフコアは「88」。 とりあえず大ダメージにはならなかったが、ダメージ量はさほど変わっていない。


「ボムドラの効果。 破壊時互いに5ダメージ入る。」


 ボムドラが爆発し、相手にもベルジアにも均等にダメージが入る。 相手のライフコアは「79」。 戻ってくる個数を考えれば「82」、ベルジアは「83」止まりとなる。 相手はプラポレーションタイムにこれ以上モンスターを出していない上に、夢の果実の効果で飢餓狼の体力は半分の「1」になる。 ベルジアの方が有利にはなっている。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


「私のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 私はコストを12支払い、『闇猫竜(ダークキャットドラゴ)』を召喚。」


 そのモンスターが現れると、簡単に言えば有名な狩りゲームの中に出てきた、黒い猫のような竜だった。 毛は逆立ち、尻尾は鋭利な感じになっていて、竜としてはかなり姿勢の低いモンスターだった。 あれが戦闘フォームなのだろう。


「更にコストを8支払い「カゼマキリザード」を召喚。」


 お、あのモンスターは俺と戦った時に出てきた奴だ。 これなら一気に圧しきれるかもしれない。


「コンバットタイム。 カゼマキリザードで飢餓狼を攻撃。」


 風を纏ったエリマキトカゲが狼に飛び込んでいく。 そして風で狼を斬っていった。


「ぐあっ! くぅ!」

 カゼマキリザードの攻撃力は14、夢の果実を使った代償で体力が無くなっているので、手痛いダメージになるだろう。


「そして闇猫竜(ダークキャットドラゴ)だライフコアに攻撃。 そして闇猫竜の効果発動!」


『モンスター:闇猫竜(ダークキャットドラゴ) レアリティ 銅 コスト12

 種族 竜族

「戦闘時」相手のライフコアよりも自分のライフコアが上回っている時、その差の半分のダメージをライフコアに与える。

 ATK 5 HP 3』


 先程のカゼマキリザードの攻撃で相手のライフコアは「69」、そして今のベルジアのライフコアは「77」その差の半分、「4」ダメージが相手のライフコアに入った上で、更に闇猫竜の攻撃も加わる。 一見すれば地味な攻撃にしかならないが、回数は重ねられないだろう。


「クールタイムに入り、私はエンディングを迎える。」

「「成長した」というよりは「戦術が変わった」と言った方が正しいか?」

「それも成長の証であろう?」


 確かにそれはそうだ。 前のベルジアは、効果こそ無いものの、ステータスは異様に高い「竜族」のデッキが主体だった筈だ。


 それが今やむしろ逆の戦法、相手のライフコアを少しずつ削っている。 そしてなによりその方法が、モンスターによる攻撃だけでないという所にもある。 前のベルジアのデッキが「パワーデッキ」だとするならば、今のベルジアのデッキは「バーンデッキ」。 相手のライフを、モンスターや魔法の効果で削っていく戦法になっていた。


「それよりもセイジ、気が付いているか? 彼らのやり方を。」

「・・・それなりには。」

「それならいい。 こんな()()()()戦いは、さっさと片付けてしまおう。」

「俺のオープニング、そしてドロー!」


 相手は俺達の会話を聞いていないのかそのままバトルは続行される。 しのぎを削るような戦いにならなければいいが。


「プラポレーションタイム! くっ! このカードは使いたくなかったんだけど・・・背に腹はかえられない! コストを16支払い、「巨漢のオークリッド」を召喚!」


『モンスター:巨漢のオークリッド レアリティ 銀 コスト16

 種族 獣人

 相手モンスターを破壊した時、そのダメージは2倍となる。 その後、相手は1枚、カードをドローする。

 ATK 15 HP 22』


 召喚されたのは巨大な二足歩行の猪だった。 これはまさか・・・


「あの3人は、あのオークに苦しめられていたのか?」

「それだけではない筈だ。 前のモンスターの状況を合わせれば、私の予想は当たっているだろう。」

「コンバットタイム! 俺のモンスターでその猫に攻撃する! そしてモンスター効果で倍になるから、一気に削り取れる!」


 猪はその巨大な足を闇猫竜にお見舞いする。 そして踏んだ衝撃の波がベルジアのライフコアに当たる。 しかもかなり強かったようで、ライフコアが若干揺れているようにも見えた。 これでベルジアのライブは「53」になる。 しかしベルジアは冷静な立ち振舞いをしている。 まるでこの程度なにもないかのように。


「オークリッドの効果により、私はカードをドロー。」

「はっはっはっ! そうだ! これこそが俺達の成すべき事なんだ! クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える! さあ、かかってこい!」


 相手は完全に躍起になっていた。 なにがそこまで彼らを狂わせてしまったのか。 俺には分からないが、今はベルジアに頼るしかない。


「私のオープニング、そしてドロー。」


 そうして引いたカードを見て・・・ベルジアは「ふっ」と口角を上げた。


「どうやら私が本気で成長したところが見せられるようだ。 プラポレーションタイム! 私はコストを25支払い、出でよ!「龍に慕われし覇者 クルセージュ」!」

現状

相手 ライフコア 59

巨漢のオークリッド


ベルジア ライフコア 53

カゼマキリザード

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ