起死回生の一手は
「僕のオープニング、そしてドロー。」
相手の特性が分かった以上下手に減らすことは出来ないし、それは相手も同じ筈だ。 どういう戦略で来る?
「プラポレーションタイム。 僕はコストを8支払い「ハンドロップラット」を召喚。」
『モンスターカード:ハンドロップラット レアリティ 紫 コスト 8
種族 獣族
相手がカードを魔法カードを使用する場合、手札を1枚捨てなければ使用出来ない。
ATK 10 HP 8』
魔法カードを縛られたか。 しかも俺の手札にある「ツギハギの折り畳み盾」の使用まで制限されてしまった。 ここまで自分の独壇場のための布石を作られると、崩しにくくなるのは明確になってくる。
「さらに私はコストを3支払い「ミニマウス」を召喚します。」
『モンスターカード:ミニマウス レアリティ 水色 コスト3
種族 獣族
「攻撃時」相手のライフコアに直接攻撃できる。
ATK 2 HP 3』
これで奴の手札は4枚、SPハイヤーの攻撃力は15になる。 ここでどう切り返すか。
「その邪魔な怨霊達を消し去りましょう。 コストを4支払い、「荒れ狂う大地」を発動。 これにより領域カードは否応なしに破壊されます。」
領域カードまで破壊してきたか。 これで俺の「薄暗い霊園」は無くなり、怨霊達も消えていく。 だがまだバンブーナイトとハッキングバグの2体がいるので、そこまで不安にはならないし、奴の手札は3枚になった。 SPハイヤーの効果ま含めれば、奴は必ず1体はモンスターを召喚しなければならない。 こちらが減らすような事がなければ余程大丈夫だと今は思える。
「では行きますよ。 コンバットタイム。 ミニマウスでライフコアに直接攻撃。」
まあ、それはそうくるよな。 回避する理由もないのでこのまま受ける。 本当に小さなネズミが、ガリガリとライフコアを削っているのを見て、ほんわかしている。 ライフコアは「88」。 まだまだ余裕はあるか。
「続きましてハンドロップラット。 その虫を駆除なさい。」
そっちで攻撃してくるか。 恐らくはハンドロップラットの効果はこいつに取ってかなり重要なカードだと見える。 つまり最初に処理すべきはそっちか。
バンドロップラットの攻撃力とハッキングバグの体力は同数。 ハッキングバグは破壊こそされるもののダメージにはならない。
「ハッキングバグの効果。 このモンスターを破壊したモンスターの装備カードとなり、毎ターン、攻撃力を5ずつ下げていく。」
攻撃力が0にはなるが、体力が減るわけではないので、別の方法で処理する他無い筈だ。
「ミニマウスをコストにし、SPハイヤーでバンブーナイトを攻撃。」
そう言いSPハイヤーがバンブーナイトに攻撃を仕掛ける。 だが手札の差は1枚。 攻撃力が10ならばこのまま受ける事も・・・
「私はコストを9支払いインタラプトカード「再雇用」を発動します。」
『魔法カード(インタラプト):再雇用 レアリティ 紫 コスト9
自分の手札が3枚以下の時、このターンで使用したカード(このカードは含まない)の枚数分、山札からドローする。』
「また手札補充カードか!」
しかも自分のコンバットタイムに使用するタイプのインタラプトカードとは・・・あいつ、自分のデッキの特徴を最大限活かそうとしている。
「これで僕の手札は再び5枚。 更にSPハイヤーの攻撃力は20になる。 さあ、この攻撃を止めるかい?」
・・・くっ! いやらしく攻めてくるなぁ。 ここでバンブーチャイルドにするわけにはいかない。 ライフコアはまだ十分にある。 さすがにライフコアが使えなくなる状態は避けたいからな。
「ライフコアを7つ支払い、インタラプトカード! ツギハギの折り畳み盾! さらにライフコアを3支払い、手札に戻す効果も使う!」
「だけど魔法カードだから、手札は捨てて貰うよ。」
自分の効果で捨てるならまだしも、相手の効果で捨てるのは正直釈然としない。 だがそれも仕方の無い事なので、やらざるをえない。
「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」
「俺のオープニング、そしてドロー!」
薄暗い霊園も無くなったので、俺のフィールドにはバンブーナイト1体になってしまった。 しかも先程捨てたマジシャンドールまで来てしまう始末だ。 仕方がない。 ここは召喚をしておくべきだろう。 こいつならハンドロップラットを倒すことも出来るだろうし。
「俺はコストを6支払い、マジシャンドールを召喚。 そしてコンバットタイム。 マジシャンドールでハンドロップラットを攻撃する!」
ハンドロップラットの驚異は魔法の制限をかけられること。 ならばそれを倒せば、恐らくはなんとか出来る予感がする。
「ハンドロップラットを倒そうと思っているのだろうがそうはいかない。 僕はコストを5支払い、インタラプトカード「クロスカウンター」を発動。 これで君のモンスターも道連れだ。」
『魔法カード(インタラプト):クロスカウンター レアリティ 紫 コスト 5
モンスターの攻撃された時、その攻撃を行ったモンスターは対象モンスターと同じ戦闘処理を行う。 その後互いのモンスターが破壊された場合、互いのプレイヤーは山札からドローする。』
簡単には倒させてはくれないか。 これでお互いのモンスターは1体ずつ処理されるわけだ。 後SPハイヤーはまだ倒せない。 しかしこれで手札は増やすことが出来た。 それだけでも大きいぜ。
「マジシャンドールの効果。 捨て場にマジシャンドールが2体になったことでカードをドローする。」
これで手札は3枚になったが、今の手札ではツギハギ以外では使えない。 ここは次に備えるのも手か。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「僕のオープニング、そしてドロー。」
これで手札は6枚、モンスターを召喚するから1体は確実に出してくるだろう。 ならばSPハイヤーの攻撃力は15。 バンブーナイトを倒されようが、ツギハギを使おうが、俺のライフコアは10減る。 次のターン次第で手番を変えよう。
「僕はコストを4支払い、ホースライナーを召喚。」
『モンスターカード:ホースライナー レアリティ 水色 コスト4
種族 獣族
獣族がフィールドにいるとき、このカードは戦闘では破壊されない。
ATK 5 HP 7』
「コンバットタイム。 ホースライナーをコストに、SPハイヤーでバンブーナイトを攻撃。」
ま、当然だろうなぁ。 ならばここは受けてやろう。
バンブーナイトが倒され、俺のライフコアは「68」となる。 だが俺のフィールドにはバンブーチャイルドが残る。 これだけでも今は救いだ。
「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」
さて、ここからはお互いに凌ぎの削りあいになる。 なにしろ俺も相手もかなりの回数インタラプトカードを使用している。 互いのライフコアは「68」。 1回の油断が命取りになる。 相手を倒すためとは言え、油断はできない。
「俺のオープニング、そしてドロー!」
この手札での起死回生は無理か・・・そう思って引いたカードを見ると、状況を変えてくれるカードが来てくれた。
「プラポレーションタイム。 俺はコストを12支払い、リターンアンドドローを使用する! 手札の3枚を山札に戻し、シャッフルした後、戻した枚数ドロー!」
そして俺の引いたカードは思いの外良いカードだった。
「俺はコストを25支払い、希少価値の採掘を発動! これによりフィールドのバンブーチャイルド、手札のリトルデビル、捨て場のマジシャンドールを山札に戻してシャッフルする。 そして捨て場から「死水霊」を復活させる!」
現れた死水霊は姿を変えたくてウズウズしているようだ。
「死水霊の効果! 捨て場から復活したとき、手札のカードを1枚相手に見せて、捨て場に送ることで、そのカードの効果とステータスを得る! 俺が見せるのは「歴戦の戦士」! これにより死水霊のステータスに歴戦の戦士のステータスが加わる!」
これで死水霊の攻撃力は41。 SPレイヤーの体力を軽く越えている。 これならいける!
「死水霊よ! SPレイヤーを倒してくれ!」
死水霊は攻撃を仕掛ける。 そしてSPハイヤーに攻撃を与え、SPハイヤーは倒される・・・筈だった。
「僕はコストを6支払い、インタラプトカード、根性論発動。 これによりSPハイヤーは体力を1残してフィールドに残る。 僕に入る差分のダメージは2倍になるけどね。」
「なんだと!?」
これだけのことをしてもまた倒せないのか! 差分のダメージということで相手は22のライフコアを失うが、SPハイヤーは残り、俺の死水霊は希少価値の採掘の効果で捨て場に戻る。
「くっ・・・」
またしても倒せなかった・・・しかも次のターンで俺のフィールドはがら空きになる。 SPハイヤーの攻撃を凌ぐ手立ては・・・無い。
「さぁ宣言をするんだ。」
「・・・俺はクールタイムに入り、そしてエンディングを迎える。」
「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 コストを2支払ってミニマウスを召喚。 コンバットタイム。 君は良く頑張ったよ。 だけどここで叩かせて貰う。 ミニマウスをコストに、SPハイヤーで君に直接攻撃する。」
SPハイヤーが俺のライフコアを思いっきり砕き始めた。 これで俺のライフコアは「28」。 セーフティラインは刻一刻と迫ってきていた。
現状
バクディッシュ ライフコア40
SPハイヤー
清司 ライフコア28
モンスター なし
主人公がピンチになるのも、カードゲームのマンガとかは良くある話ですよね。




