主催者の性格
最初はアリフレアの視点からお送りします。
「どこを・・・探せば・・・良いのです・・・か。」
中々見つけることが出来ずにいる私は、刻一刻と時間を削られている事に焦りすら感じていた。
ご主人様が時間を稼いでいる中で、私は自分の役割も果たせないのかと。 折角あの苦痛から抜け出させてくれたご主人様に、なにも恩返しが出来ていないのかと。 私は涙を流しそうになっていたけれど、グッと堪えて、また人探しを再開させたその時
「どうかしたのかい? お嬢さん。」
顔をあげると、白髭を生やした体の大きなおじいさんがいました。 私の事が心配で声をかけてきたのだろう。
「親御さんはどこかな? すぐに探して・・・」
そう離れようとした時、私は藁にもすがる思いになって、そのおじいさんの服の裾を掴んでいた。
「おじいさん。 あのね・・・」
私は話した。 信じてもらえなくても良い。 誰かに話したかった。 ご主人様の事を少しでも助けたかった。 拙い説明になってしまっているかもしれないけれど、お構いなしに話していた。
そして話し終わった時に、私は呼吸が荒くなっていた。 あまりにも早口で、息継ぎもしていなかったので、そうなってしまっていたのかもしれない。 だけどそれでも誰かに聞いてもらえるだけでも心が晴れた気がした。 そんな事を呼吸を整えながら思っていると、先程のおじいさんの手が私の肩を叩いていた。 大きいけれど優しく添えられたその手に、私はご主人様とは違う、だけど同じくらいの安心感を覚えた。
「お嬢さん。 その場所。 おじいさんに案内してくれるかな?」
そう言われて私は、こっちですと指を指しながら、そのおじいさんを引き連れていくのだった。
―――――――――――――
「くっ。 まさかあの状態から一気に盛り返すとは・・・」
「カードゲームは一瞬の駆け引きといかに盤面を自分の思いどおりに出来るかの勝負だ。 それに最初にドゥーレイを倒したのもこのためだ。 なにも間違ったことはしてないんだよ。」
少し悔しがるように見せるバクディッシュに対してそう答えるが、いかんせんまだ始まって数ターンの出来事、こちらが出来たので、あちらも出来るのは明白だ。 問題はどんな手段で、この盤面を返すか、だ。
「僕のオープニング、そしてドロー。」
さて、相手も同じことをしてくるだろうか? 俺のフィールドは埋め尽くされているとはいえ、1体1体はさほど強いとは言い難い。 盤面を作るか、処理を急ぐか。
「プラポレーションタイム。 僕はコストを4支払い、「雑草処理」を発動させる。」
『魔法:雑草処理 レアリティ 水色 コスト4
体力が3以下のモンスターを全て破壊する。』
む、向こうも盤面処理に来たか。 ここで破壊されるのはエレクトリックドラゴンと怨霊2体か。 エレクトリックドラゴンが破壊されるのは少し残念だが、怨霊に関しては処理されても問題はない。 むしろ盤面圧迫しないので、使いどころが限られたりするのだ。
「そしてコストを4支払い、「ライノスラー」を召喚する。」
『モンスターカード:ライノスラー レアリティ 水色 コスト 4
種族 獣族
このカードが攻撃する時、相手はインタラプトカードを使用できない。
ATK 9 HP 5』
中々に厄介なやつが出てきたな。 とは言えステータスは高くない。 これなら・・・
「更にコストを22支払い「SPハイヤー」を召喚しよう! これが僕のエースモンスターだ!」
『モンスターカード:SPハイヤー レアリティ 金 コスト22
種族 アンチマン
このカードの攻撃力と体力は、自分の手札から相手の手札を引いた差分×5上昇する。
「攻撃時」自分のフィールドに存在するモンスター1体を捨て場に送らなければ、攻撃出来ない。
ATK 5 HP 5』
出てきたのは黒いスーツに身を包んだ男。 だが紳士的と言うよりは、マフィアの雰囲気が出ている。 俺のデッキの中の怪盗もある意味似ているかもしれないが、あそこまで露骨ではない。
それよりも厄介なのが、手札の差によるステータスの上昇と言う部分にある。 今はバクディッシュが4枚、俺が1枚という現状、SPハイヤーの攻撃力、体力は共に20。 今はまだ軽いが、やつの術中にはまる前に対処をしなければ、あの地獄からは抜け出せないだろう。 だが、次のコンバットタイムでの奴の攻撃は分かっている。 この手札を使えないのは少々痛いが、これも致し方ない戦略だと・・・
「コンバットタイム! 私はライノスラーを捨て場に送り、SPハイヤーでバンブーチャイルドを攻撃!」
「なに!?」
そんな馬鹿な!? ライノスラーを攻撃させずに、SPハイヤーに攻撃を回しただと!?
奴がライノスラーを攻撃させた後に、ライノスラーを捨て場に送る事で、SPハイヤーがハッキングバグを攻撃して、更なるダメージが見込めた可能性があるというのに。 しかしそんなことをした代償として、SPハイヤーには、ハッキングバグを効果で攻撃力は5ずつ下がる。 攻撃力0は恐らく無いが、ステータス的にはかなりの弱体化が望めたのに、これを読んでいたというのか?
「おやおや、こんなことで驚かないで下さいよ。 SPハイヤーの効果がゆえ、仕方ない犠牲なのですよ。」
違う。 奴は戦略なんて微塵も考えていない。 エースモンスターを攻撃させるためだけに出したモンスターだったのだ。 完全なる使い捨て、もしくは糧としか見ていない。 奴の性格の根底はそこなのか。 予定は狂ったがこのターンは使わないと思っていたこのカードを使おう。 ライフコアが減ることには変わり無いが、減らせる分は減らしていこう。
「インタラプトカード! ライフコアを7つ支払い、ツギハギの折り畳み盾を発動させる!」
その魔法カードを使用して出てきたのは、かなり小型な鉄のキューブだった。 辺の所にはチェーンのようなものもあった。 すると突然「ガチン、ガチン」という音と共にそのキューブが開かれてどんどん大きくなっていく。 そしてそのままSPハイヤーの拳を止めるのだった。
「さらにこのカードはライフコアを3つ支払うことで手札に戻すことが出来る!」
ライフコアが支払われると、先程の盾は逆にどんどん小さくなり、最初に出てきたキューブの姿になる。 そして消滅し、手元にカードが戻ってくる。 そのためのツギハギか。
「どうやら大きなダメージは防げたようですね。」
その通りではあったが少々釈然としない部分があったので、敵とはいえ聞いてみる。
「あんた。 なんでライノスラーで攻撃をしなかった? インタラプトカードを持っていない可能性を考慮したとしても、そっちの方が与えるダメージは伸びたはずだ。 なのになぜ・・・」
「そうまでして他のモンスターで戦わせる義理は無いでしょう? どう使おうが僕の勝手なんだから。」
どうやらあのエースモンスターが出てきたことでもう負けることはないと考えているらしい。 確かに強力なモンスターではあるが、対処が出来ないわけではない。 これは俺がいかにしてあのエースモンスターを倒せるかが鍵となりそうだ。
「クールタイムに入り、僕はエンディングを迎える。」
「俺のオープニング、「薄暗い霊園」の効果により、怨霊を2体、フィールドに召喚される! 更にバンブーチャイルドは2ターン経過したことにより、バンブーナイトへと進化する!」
このターンで様々な事が起きる。 まず怨霊はエフェクト的にだが、薄暗い霊園の地面から現れ、さらにバンブーチャイルドは外側の皮がどんどん捲れて、さらにぐんぐんと伸びて、竹の姿になる。 いつの間にか竹槍もしっかりと備えて、だ。
「そしてドロー!」
これで俺の手札は2枚、差分は2枚となり、SPハイヤーの体力も下がる。 エースモンスターとて倒されない訳じゃない。 手札としてもこころもと無いので、ここは今いる4体で、SPハイヤーは倒せる!
「プラポレーションタイムに入りそのままコンバットタイム! すべてのモンスターでSPハイヤーに攻撃をするんだ!」
4体の一斉攻撃、これはいくら体力が上がろうとも、インタラプトカードを使わない限りは防げない筈だ。
「僕はライフコアを8支払い、インタラプトカード、拾い上げる対価。」
やはり来たか。 手札枚数は減ったが、果たしてどんなカードを・・・
「拾い上げる対価の効果はコンバットタイム中にしか使用できないが、相手の手札の数だけ、僕はドローをすることが出来る。 つまりこれによって差分が3枚となり、SPハイヤーの体力は20。 そしてSPハイヤーの効果はこのカードが破壊されるまで続く。 この意味は、君なら分かるんじゃないかな?」
「ちっ!」
4体の攻撃を凌いだSPハイヤーを前に、俺は苦虫を噛み潰したような気持ちになった。 まさか自身の効果を利用できるインタラプトカードだとは思わなかったからだ。 インタラプトカードの種類も豊富だなと思いつつも、かなり危険な状態なのは明白だった。
SPハイヤーを1ターンのコンバットタイムで倒さなければいけないし、ステータスの事を考えると、手札は使うに使えない。 なにより厄介なのは、相手があれだけ手札が豊富なのにも関わらず、使ってくる気配が無いことにある。 これではいくらやっても差が縮まらない。 こちらも攻撃回数を重ねればなんとかなるだろうが、そこまで耐えれるかは相手の出方次第になってしまう。 これ以上はこちらからは手を出せなくなった。 次のターンで少しでも策を練り直さないと。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
現状
バクディッシュ ライフコア66
SPハイヤー
領域なし
清司 ライフコア90
バンブーナイト
ハッキングバグ
怨霊×2
薄暗い霊園




