アリフレアのデッキ
俺とアリフレアとの間にフィールドが現れる、カードが5枚置ける位の広さと、カードの枠が見えた。 俺から見て、左にはライフコア、ハートの形の宝石の中に「100」と書かれている。 これがライフコアの数だろう。 右には青い宝石が10個浮いている。 これが補充コアだろう。
そして右には更に2つカード枠があった。 下にはカードの束の電子帯があるので、山札だろう。 その上は恐らく捨て場だろう。
先攻後攻を決めるダイスは10面ではなく6面になっている。 まあ確かに100までで決める必要は無いよな。 遊びだし。 そう言って投げられたダイスは俺が「2」、アリフレアが「5」となり、アリフレアが先攻になった。
「ええっと・・・」
「焦る必要は無いからな。 ゆっくりやって、感覚を慣らしていけばいい。」
別に時間は制限されていないので、ここはアリフレアが慣れるまでは、アリフレアのスピードでやってあげよう。 そもそもこういったものに、チュートリアルシステムみたいなのが無いのは、始めたて、それも年齢的にようやくゲームをやれるようになった子供にとっては、いきなり実践を行うのは少々酷ではないかと思った。 この世界を作った神様が、俺の願いを聞いてくれていたらいいんだがな。 言ってはないけど。
「わ、私のオープニング・・・ そしてドロー?」
いまいちぎこちないが、最初はこんなものだろうと思った。 俺の戦いを見ている分困惑は少ないけれど、色々と初めてな部分が多いため、そうなってしまうだろう。
「プ、プラポレーションタイム。 こ、コストを3使って、『真昼の妖精』を召喚、します。」
『モンスター:真昼の妖精 レアリティ 水色 コスト 3
種族 妖精族
「エンディング時」 自分のライフコアを3つ回復する。 この効果で100以上にはならない。
ATK 4 HP 4』
現れたのは黄色い発光をしている羽の生えた小柄な少女だった。 どうやら立体映像のシステムはこちら側でも現れるようだ。 妖精族ということだが、さてさてどんな戦略でくるか・・・
「ふぁぁ・・・」
なんて物騒なことは考えなくていいか。 アリフレアが出てきた妖精を見て目を輝かせているのを見ると、なんだか毒気が抜かれる想いになる。 そんな視線に気が付いたのかアリフレアは慌てて自分の手札を再確認して、色々と模索し始める。
「こ、コストを6支払って・・・ええっと、これは・・・」
「どうした? 読めないものでもあったか? ちょっと、カードを出してくれ。」
そう言って俺はアリフレアが出そうとしていたカードを確かめる。 制約カードバトルならこんなことは出来ないが、今回は遊びでカードバトルをしているので、相手の手札を確認するようなことをしなければ、マナー違反にはならないだろう。 そして見せてくれたカードは
『装備カード:幻惑の羽 レアリティ 紫 コスト 6
このカードを「妖精族」1体に装備する。 装備したモンスターは攻撃対象に出来ない。』
「アリフレア、これは幻惑の羽って読むんだ。」
こうして改めてカードのテキストを読んでみると、意外にも漢字のような文字があるのだが、形は原型の漢字を分解して部首を逆にしているだけなので、俺もなんとなくで読めているが、崩し字じゃなくって本当に良かったと自分でも思ってる。
「あ、はい。 では、幻惑の羽を、真昼の妖精に、装備させて、クールタイムに入って、エンディング、です。」
そうしてアリフレアのターンが終了される。 とはいえ俺のデッキとだとかなり戦力差が生まれてしまうと思うので、あまり本気を出さないでおこう。
「俺のオープニング、そしてドロー。 そしてプラポレーションタイム。 俺はコストを4支払い、「魔剣の使い手」を召喚する。」
『モンスターカード:魔剣の使い手 レアリティ 水色 コスト4
種族:衛兵
このカードに「装備カード」を装備した次のターン、相手の効果を受け付けない。
ATK 5 HP 4』
「そして魔剣の使い手にコストを4支払い、「紅蓮青龍の剣」を装備する。」
『装備カード:紅蓮青龍の剣 レアリティ 水色 コスト4
装備したモンスターは2回攻撃が出来る。 ただしその効果を使用したターンのエンディング時、モンスターの体力は半分になる。』
赤いオーラを纏った剣と青いオーラに包まれた剣が魔剣の使い手に装備される。 どうやら武器としては2つで1組のようだ。
「コンバットタイム。 魔剣の使い手で真昼の妖精に攻撃。」
魔剣の使い手は妖精に向かって攻撃を仕掛ける。 それに対して目の前のアリフレアも真昼の妖精も慌てふためている姿が見えた。 あぁ、これどうやって対処するか分からない感じだ。
「アリフレア、そのままだと倒されちゃうぞ?」
「はっ!? そ、そうです! な、なにか手は・・・ あっ! そ、装備カード、幻惑の羽の効果によって、攻撃の対象にはなりません。」
うん。 こっちとしてもそれは分かっていることだったので、敢えて攻撃の対象を本来狙えない真昼の妖精をしていたのだ。
「だけど真昼の妖精が対象に出来ないから、攻撃はアリフレアにいくことになるんだけど。」
「はうぅ!」
「まあもう1体いる状態で使うのが正しかったかな。 今回は慣らし運転だから気にすることはないぞ。 じゃあ、アリフレアのライフコアに攻撃だ。」
そう言って魔剣の使い手はアリフレアのライフコアにキレイに攻撃を加える。
「う、うぅ。」
「装備カード「紅蓮青龍の剣」を装備した魔剣の使い手はこのコンバットタイム、もう一度攻撃を行うことが出来る。」
そう言うと魔剣の使い手はもう一度アリフレアのライフコアに攻撃を加えた。
「あっ・・・」
これでアリフレアのライフコアは「90」となる。 ちょっと大人気ないかとも思ったけれど、アリフレアには自分自身の力で、デッキを使って貰わないといけなくなるなるときのために、今のうちから訓練はさせておこうと思っている。 アリフレアがあんまり戦いを好まないのはこちらとしても分かってはいるつもりだが、やはりそれでも万が一の時の備えはしておきたい。
「俺はクールタイムに入って、エンディングを迎える。 さあ、アリフレアのターンだ。」
「は、はい。 私のオープニング、そしてドロー。」
アリフレアのターンになる。 目の前の「真昼の妖精」の効果はエンディング時なので、まだ脅威にはならないが、回復をされるのは本来ならすぐに処理をしたいモンスターではある。 が、それは装備カード「幻惑の羽」によって攻撃や効果の対象に取れない。 それはこの戦いにおいてはかなり重宝はされるコンボではある。 なぜなら対象として選べないのだから、攻撃や破壊を出来ないということになるからだ。 アリフレアもこれからの戦いにおいては、このコンボを使って様々な展開をすることは俺には分かっている。
「ええっと、プラポレーションタイムに入って、コストを14払って、「妖精達の庭園」を使い、ます。」
『領域カード:妖精達の庭園 レアリティ 銀 コスト14
このフィールドが存在するかぎり、「妖精族」が受ける戦闘ダメージは半分になる。 またこの領域を展開したプレイヤーは、ライフコアによるダメージが半分になる。』
そのカードを使った瞬間、殺風景だったフィールドに色とりどりの草花が生え、フィールドにはいないフェアリーもいっぱい現れる。 なるほど、こっちでのフィールド魔法はこういう扱いなのか。
ライフ回復のモンスターに相手に攻撃をされないための防御装備、そしてライフダメージを軽減する領域カードか。 アリフレアのデッキコンセプトは、恐らく「相手の攻撃をいかに凌ぎつつ、こちらのチャンスをものに出来るか」という具合だろうか。
カードはその人物の性格を表すのは前回の2回でなんとなく分かっているつもりだ。 それを総合した上でアリフレアの性格、というよりも考えているものは
『自己防衛本能』
どう言った経緯でああなってしまったのかは・・・アリフレアの心の傷が癒えた時にでも聞こうかと思うが、今回の目的はそういったものではないので、今はカードゲームの方に集中しよう。
「ええっと、コストを、5支払って、「アイアンフェアリー」を、召喚、します。」
『モンスターカード:アイアンフェアリー レアリティ 紫 コスト5
種族 妖精族
相手のターン中、このカードは戦闘、効果による破壊が出来ない。 ただし、体力が攻撃力よりも下回った場合、その差分のダメージはライフコアで受ける。
「コンバットタイム開始時」このカードのステータスは ATK 8 HP 2に変更される。 クールタイム時に元のステータスに戻る。
また相手のターン開始時、このモンスターのHPは6回復する
ATK 3 HP 12』
今度出てきたのは体が鉄でコーティングされている妖精が現れる。 銅像のような感じで現れたので、かなり固そうな雰囲気になっている。 しかし先程の反省を生かす事が出来たと考えると悪くない選択なのかもしれない。
「ええっと・・・」
アリフレアはなにかをしようとしているのだが、どこか戸惑っている様子だった。 恐らくは攻撃することを躊躇っているように見える。 だがここで躊躇われると勝てる試合も勝てなくなる。
「アリフレア。 さっきから言っているけれどこれはゲーム。 それに誰も何も傷付かないから、遠慮なくぶつかってきていいぞ。」
「ご、ご主人様がそういうなら・・・ コンバットタイム。 真昼の妖精さんで魔剣の使い手さんを攻撃します。」
そう宣言して、真昼の妖精は羽に光を宿し、その光で俺のモンスターを浄化していく。 ライフコアに2つダメージが入り、俺のライフコアは「98」へと変わる。
「アイアンフェアリーさん。 ご主人様に攻撃・・・あ、あまり痛く、ないように、お願いします。」
そこでそんな気遣いはどうかと思うんだけどなぁ・・・ アイアンフェアリーは銅像だった姿から羽だけが鉄製の妖精の姿に変わっており、俺に近づいて、その羽を豪快に振った。 小柄な姿とは言え、鉄なのでかなり痛い。
「ご主人様。」
「心配するな。 あくまでもバーチャルだからな。 感覚はあれど、肉体的には変わらないよ。」
こんなことで罪悪感を生ませてはいけないとアリフレアに言い聞かせる。 まぁ痛みは感じるのでそれはそれで危ないが。
これでライフコアはほぼイーブン。 手加減をしているとはいえ、アリフレアのデッキは既にコンボが出来ている感じもする。 これは磨けば光るかもな。
「さぁアリフレア。 ゲームを続けるぞ。」
「はい。」
そして俺とアリフレアの戦いは続き・・・
「じゃあ、この攻撃で、俺の勝ちだ。」
「負けてしまいました・・・」
俺の勝利で終わったが、正直ギリギリな戦いではあった。 なにせ攻撃が通りにくい環境の中で、相手を削りに行かなければならないので、生半可な攻撃では通らない。 アリフレアは実質かなりの戦力になると俺はふんだ。
「ご主人様は、やっぱり、お強い方ですね。」
「いや、正直アリフレアも中々なものだったぞ。 さ、デッキの作り方は夜に教えるから、出発しよう。」
「はい!」
俺達はカードゲームを終えて、再び森の中を歩いていくのだった。
今回の戦いに関しては細かく描写しなかったのは、アリフレアに対して、主人公が本気を出していないことと、まだアリフレアのデッキの全体像を作者自身も決めていないからです。 定期的にはカードバトルの風景は出させる予定ですが。
今後どこかのタイミングでアリフレア自身でのカードバトルを行いますが、それがどこになるかは未定です。
アリフレアも頼もしい味方にする予定ですのだ、応援してあげてください。




